部屋を気分に合わせて変えてみませんか。
インテリアブランドを扱うFinlandekが
ビデオ通話用背景画像を提供。

当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。

“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。

今日のトピック

デザイン性の高いフィンランドのインテリアブランドを扱う、ブラジルのディストリビューター「Finlandek」は、商品でコーディネートされた部屋の画像をzoomやSkypeの背景として使えるよう無料提供を行なっています。実際の使用シーンは、ムービー広告「Home backgrounds for video calls」で紹介されており、画像は通販サイト「Moda Éxito」のFacebookのアルバムからダウンロードできるそうです。

SPREADはこう見る

外出自粛が続いているこの数か月間、ビデオ通話は友人やクライアントとのコミュニケーションに役立っています。ただ、その際、多くの人が自宅の部屋を見られる機会がここまで増えるとは予想していませんでした。ビデオ通話では散らかった洗濯物や、ベッドメイキングができていない寝室などが映ってしまう小さな危険と隣り合わせです。そこで今回のような背景画像があると助かります。

インテリアブランドがリモートワーカー向けに背景画像を無料提供している事例は他にもあります。IKEAは、オンライン会議向けのフォーマルな背景から、友人とくつろぐ時間を演出するカジュアルな背景まで、幅広い画像を揃えています。水回りやキッチンを扱うLIXILは、高級感のあるリビング、落ち着いた清潔感のあるダイニングなど、彼らの考える理想的な住まいの画像を提供しています。

いまやビデオ通話の背景は、コミュニケーション環境をデザインする大事なツールです。晴れやかな気分にしたいときは日差しの強い海の風景、気合を入れたい会議はメラメラと燃える炎の背景、と私たちも使い分けています。背景画像を使うことで利用者は自分の部屋をカモフラージュでき、相手は余計なことが気にならずに会話ができ、インテリブランドは自社のアピールができる。地味で小さいことかもしれませんが、みんながハッピーになれる灯台下暗し的な良いアイデアだと思います。ぜひさまざまなブランドがそれぞれの個性を生かした背景を提供していただければと思います。もしかしたら憧れの背景に実生活を近づけたくて、将来お金を貯めて家具を買う日が来るかもしれません。End

Finlandek
フィンランドの家具を扱うブラジルのディストリビューター。会社名は、Finlan(フィンランド)とDec(装飾)を合わせたもの。扱うアイテムは北欧ならではのデザインで、テーブルウェアからベッド、水周り用のカーペットまで幅広い生活用品が揃えられている。

▲本プロジェクトをレーダーチャードで示しました。6つの属性のうち、成果物のデザイン性を「Creativity」で評価しています。「Pure & Bold」は目的に対して一途な強さを感じるか、やりきっているかという、SPREADが自らの仕事において大切にしている視点です。