ミラノサローネで開催した、「工芸性」をテーマとする
企画展「SHOKUNIN」を京都伝統産業ミュージアムに開催

2020年3月にリニューアルオープンした京都市左京区の京都伝統産業ミュージアムでは、7月4日(土)から8月2日(日)まで、開化堂・八木隆裕、中川木工芸・中川周士、朝日焼・松林豊斎による企画展「SHOKUNIN」が開催中である。

同展は、八木と中川が2016年4月にミラノサローネで開催した展覧会「SHOKUNIN」を再び京都で開催するもの。両氏がこれまで多くの職人やデザイナー、アーティストや学者などと語ってきた「工芸性」の原点ともいうべきミラノでの展示を、両氏の活動の蓄積と合わせてアップデートする。また今回は、朝日焼十六世 松林豊斎も特別に参加している。

今回展示されるもののうち、まったく同じ100本の茶筒は、代々守り作り続けた継承の証といえる。また、1つとして同じものがない数多の桶は、木という自然物と対峙してきた証にも見えるだろう。

ミラノサローネでは、デザイナーたちによる新作の発表が話題の中心となるなかで、その展示はひときわ異彩を放っていたという。というのもそれは、「SHOKUNIN」という考え方の共有を図ろうとした展覧会だったからだ。

イタリアのデザイナー、エンツォ・マーリが「職人の手の中には脳がある」と語るように、職人は頭ではなく手で考える存在で、言語による哲学の体系とはちがい、手から手へ、身体を使ってつづられてきた哲学体系があるのではないか。ミラノサローネでは、そう問いかけたそうだ。

▲八木隆裕

▲中川周士

▲松林豊斎

職人の手の中にある「工芸思考」や「工芸性」という古く、そして新しい考え方の共有は今も更新され続けている。今回の展示では、ミラノでの展示を再現しつつ、松林の作品とその「SHOKUNIN性」を加えることで、彼らが考え表現し続けてきたことを多くの人と共有したいとしている。End

企画展「SHOKUNIN」

会期
2020年7月4日(土)~8月2日(日) 入場無料
9:00~17:00(入館は16:30まで)
会場
京都伝統産業ミュージアム 企画展示室(京都市勧業館みやこめっせ地下1階)
詳細
https://kmtc.jp/special/2020/07/01/4211/

「SHOKUNIN」トークイベント

日時
2020年7月12日(日) 15:00~16:00(最大90分)
場所
京都伝統産業ミュージアム内
出演
八木隆裕、中川周士、松林豊斎
参加費
無料(ただし下記サイトより要予約)
申込
https://peatix.com/event/1539050/view