田根 剛が手がけた「弘前れんが倉庫美術館」がグランドオープン
煉瓦倉庫の原風景を守り、歴史を未来へつなげる建築

青森県弘前市の新しい美術館となる「弘前れんが倉庫美術館」は、2020年7月11日(土)にグランドオープンを迎えた。

同館は、国内で初めてシードルが生産された「吉野町煉瓦倉庫」(2015年7月より弘前市が所有)を芸術文化施設として改修・整備したもの。

建築設計は建築家・田根剛が担当。煉瓦建造物の耐震性能を高めつつ、今あるものを可能な限り残した「記憶の継承」と「風景の再生」をコンセプトにもつ建築空間では、その魅力を最大限に生かした国内外の先進的なアートや、弘前そして東北地域の歴史・文化と向き合う同時代の作品も収集し展示する。

弘前市民にとって大切な煉瓦倉庫という原風景を守り、歴史を未来へつなげるため、スターツCAM免制震構造研究所がミュージアム棟の大屋根を支える骨組みの補強設計と、カフェ・ショップ棟の正面の既存壁を残しながらの木質構造設計を実施。

▲ミュージアム棟 正面入口

さらに、この場所でかつてシードルを生産していたことから、老朽化した屋根を「シードル・ゴールド」カラーのチタン製の菱葺(ひしぶき)屋根に再生。光によって微妙に変化する色合いや光沢は、煉瓦倉庫の新しい象徴となっている。

▲2階 展示室4

▲2階 ライブラリー

ミュージアム棟の隣にはカフェ・ショップ棟も展開。シードルを販売する「A-FACTORY 弘前吉野町シードル工房」と、青森県産の食材を使用した多国籍料理を提供するカフェが出店し、美術館オリジナルのグッズをはじめ、国内外のアーティストや地元弘前ならではの商品を販売するショップも併設する。

なお、現在は開館記念 春夏プログラム「Thank You Memory ―醸造から創造へ―」が2020年9⽉22⽇(⽕・祝)まで開催中である。End

開館記念 春夏プログラム「Thank You Memory ―醸造から創造へ―」

会期
2020年6⽉1⽇(⽉)~9⽉22⽇(⽕・祝)
9:00~17:00(最終入館16:30)
休館日
火曜日(ただし9月22日は開館)
注意事項
マスク着用など、新型コロナウイルス感染予防・拡大防止の協力を求める。
会場
弘前れんが倉庫美術館
詳細
https://www.hirosaki-moca.jp/exhibitions/163/