▲ 撮影：野田東徳（雁光舎）

2019年10月の豪雨による水害の影響で長らく休館していた、千葉市の写実絵画専門美術館「ホキ美術館」が2020年8月1日（土）にリニューアルオープンを果たした。

同館は、オーナー・保木博子氏が蒐集した現存作家を中心とした写実絵画の傑作約480点を所蔵。森を眺めながら本格的なイタリア料理とワインを堪能できるイタリアンレストランやカフェが併設されている。

▲ 撮影：野田東徳（雁光舎）

緩くカーブしながら折り重なる30mのキャンチレバーがアイコニックな美術館で、建築自体も同氏のコレクションの一部となるべく、特徴的なフォルムの外観をしている。

さらに、内部空間は壁仕上げの目地や床材の継ぎ目、吊り下げ照明といった雑物を徹底的に排除。外界から切り離されて一枚一枚の写実絵画と対峙できる、最適な鑑賞環境を実現している。

▲ 撮影：ナカサアンドパートナーズ

日建設計が手がけた今回の改修では、主要な電気設備・熱源設備を地上化し、各所に水密扉を設置して、昨今各地で発生している集中豪雨による予測できない浸水被害をも防ぐための工夫を随所に実施。

また、10年という節目を迎え、内装仕上げの更新や最新デジタルツールを使った音声ガイダンス導入など、美術館の魅力向上に対する更新も行った。

▲ホキ美術館館長・保木博子氏　撮影：ホキ美術館

現在は、企画展として、開館10周年・リニューアルオープン記念「森本草介展」と、40歳以下の新人写実画家を対象とする「第3回ホキ美術館大賞展」がスタート。新たな魅力が加わったホキ美術館にぜひ足を運んでみよう。