建築家・浅野言朗が設計した「Metamorphosis in the Forest」
森の変容にインスパイアされた軽井沢の住宅

▲ 写真:吉村行雄

建築家で詩人の浅野言朗が設計した長野・軽井沢の住宅「Metamorphosis in the Forest」は、星野温泉にも近い中軽井沢と呼ばれる地域に立地している。

▲ 写真:吉村行雄

プロジェクトは、何もない鬱蒼とした森の敷地に建つ別荘の設計としてスタート。一見均質に並んでいる木が、徐々に場所場所で多様な空間を含み込んでいく。

▲ 写真:吉村行雄

▲ 写真:吉村行雄

浅野は以前より、M.C.エッシャーのだまし絵「Metamorphosis」のような漸次的な変化を持った空間の設計をテーマとしており、観察から森の中にこのような性質があることを直感。変質していく一繋がりのスペースがあり、その中で人間がそれぞれの場所の違いを自由に感じ取り、自由に行動ができるスペースを目指した。

この「Metamorphosis in the Forest」は、主に2つのプロジェクトで構成。「Gradation in the Forest」は、避暑地の森の中に建てられた住居で、小さなスペースの集まりとして作られている。時間とともに、この住居の質は変わっていき、空間の連なりとなって、森の環境に深く溶け込むことが計画された。

▲ 写真:吉村行雄

▲ 写真:吉村行雄

他方、子供用の遊具、パブリック・ファーニチャー、アート作品、瞑想室、小さな休憩スペース、待合室の性質を併せた「Three Cubes in the Forest」は、さまざまな特性と機能を持つマイクロアーキテクチャ。3つの立方体はトラックで簡単に輸送・設置が可能で、森深くに据えることにより、その中に憩う人は森を深く感受することができるそうだ。

▲「Three Cubes in the Forest」

▲「Three Cubes in the Forest」

▲ 写真:吉村行雄

▲ 写真:吉村行雄

▲ 写真:吉村行雄

さらに新たなテラスを設けたり、ベンチを設置したり、絹谷幸太の彫刻を設置したりと少しずつ要素を増やし、単体の別荘の計画から終わりのない森全体を主題とするものへと変容。

▲ 写真:吉村行雄

▲ 写真:吉村行雄

▲ 写真:吉村行雄

森の中に東屋やオブジェのようなものを整え、私的な公園のようなものになっていくことも構想しているが、あまり整えすぎず、あくまでも主人公は「森」と「住み手」の関わりであると浅野は考えている。End

▲ 写真:吉村行雄

▲ 写真:吉村行雄

浅野言朗のプロフィール

1972年
東京都生まれ
1995年
東京大学工学部建築学科卒業
1997年
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了
1997~2005
原広司+アトリエ・ファイ建築研究所
2005年~
有限会社浅野言朗建築設計事務所設立
主な受賞歴
iF Design Award 2017 受賞/Red Dot Design Award 2018:Product Design 受賞/ICONIC AWARDS 2019 Winner 受賞/Architecture MasterPrize 2019 Winner 受賞/German Design Award 2020 Winner 受賞/K-Design Award 2020 Grand Prize 受賞など国内外で多数受賞