隈研吾・佐藤可士和がディレクションを務める
団地の未来プロジェクトの「洋光台団地」リニューアルが完成

UR都市機構は、神奈川県横浜市磯子区の「洋光台団地」をモデルケースとして、継続的に団地の価値を上げ、より良い社会づくりに貢献する「団地の未来プロジェクト」を2015年3月より進めている。

そしてこのほど、同プロジェクトのアイコンとなる新たな拠点として、洋光台北団地集会所の建築アイデアコンペにおいて最優秀賞に選ばれたNAAW(長野憲太郎・王翠君)の案をベースに、隈研吾佐藤可士和によるディレクションのもと実施案を策定したリニューアル工事を行い、「団地の集会所 OPEN RING」が完成したことを発表した。

北団地の屋外空間の良さを活かすために、建物と地形の関係性を高めることを考え、サンクンガーデンをより広く階段状に改修。軒下空間と関係づけることによって、既存建物・周辺環境を含め全体として「集まり」を感じる空間を作り上げた。

▲ 団地の集会所

これに合わせて、洋光台中央広場のトーン&マナーを継承して佐藤がデザイン監修を行った、洋光台北団地集会所に隣接する、広場と住棟ファサードのリニューアル工事も完成。洋光台地区の北エリアに新たなコミュニティ拠点が誕生した。

▲ 屋外広場・住棟ファサードリニューアル

同氏が心がけたのは、明るく、風通しの良い、普遍的に気持ちの良い場所を住人に提供すること。古くなった既設の構造物を撤去、植栽の整理を施してオープンスペースに芝を貼り、木製家具を設置したファサードには、木調のルーバー状の手すりを設置し、シンプルな外壁に広場の家具や緑と調和するアクセントを与えている。

▲ 団地の広場

▲ 団地のファニチャー

さらに、集会所に併設した「団地のカフェ」には、団地の豊かな屋外空間のなかで本に親しめるように、「団地のライブラリー」を設置。これは団地全体を図書室化するプロジェクトで、ブックディレクターの幅允孝(BACH)が監修。

▲ 団地のカフェ

▲ 団地のライブラリー

そのほか、さまざまなワークショップや広場を活用したイベントなどを予定。また、2021年2月3日(水)から5月10日(月)まで東京・国立新美術館にて「佐藤可士和展」が開催され、団地の未来プロジェクトに関しても展示が行われることになっている。End

佐藤可士和展

会期
2021年2月3日(水)~5月10日(月)10:00~18:00
※入場は閉館の30分前まで
※開館時間は変更になる場合あり
休館日
毎週火曜日
※2月23日(火・祝)、5月4日(火・祝)は開館、2月24日(水)は休館
会場
国立新美術館
詳細
https://kashiwasato2020.com/