デザインユニットM/M(Paris)が上海で回顧展を開催
現実に作品の世界を作り出す

▲© Power Station of Art

パリを拠点に活動するデザインユニット「M/M(Paris)」(エムエムパリス)が、中国・上海にある現代アートの美術館・上海当代美術博物館にて2021年4月18日(日)まで、回顧展「M/Made in Shanghai」を開催している。

1992年の結成から今日までのM/M(Paris)の仕事を振り返る同展では、フランスからアーカイブ作品を持ち込むのではなく、すべて上海で作り直したものを展示。

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M/M(Paris)は、上海という都市構造のなかで彼らの実践を文脈づけし直しながら、上海のコミュニティがプロデュースし、読解していく展覧会を目指したという。そして、M/M(Paris)は、この展覧会を通じて「拡張」することになるのだ。

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およそ30年におよぶ活動で手がけたサインやオブジェクトは、上海のアート活動の中心地で、かつては発電所であった同館において、その規模に合わせて変貌する。いわばそれは「M/M(Paris)の世界」の都市バージョンで、現実のなかに作り出された想像の世界でもあるという。

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1,250㎡の没入型のスペースには、「Infinitable」(2010)、「Sucette」(2008)、「Portant」(2008)、「Borderline」(2015)といった作品の拡大バージョンにサインやオブジェクトをちりばめている。

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さらに、1999年頃に始まった、現代アーティストとのコラボレーションであるアートポスターシリーズなどを旗のように吊り下げて展示している。

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フロアには、マルグリット・デュラスの作品を舞台化したときにセットとしてデザインしたモチーフ「Pluie d’été à Hiroshima, irradiation optique」(2006)を千倍に拡大して敷きつめた。これは、芸術作品のあり方の変化を記述した、ヴァルター・ベンヤミンの「複製技術時代の芸術」を想起させるものでもあるそうだ。

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向かい合った壁には、2つの巨大な時計を掲げた。ひとつはパリの時間、もうひとつは上海の時間を指しており、この二重性が展覧会を貫いている。

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訪れる人たちは、アメリカの記号論者 パースが考案した記号の3タイプのように、「アイコン、インデックス、シンボル」を生み出してきた彼らの30年近い活動を凝縮した、2つのマインドや2つのタイムゾーンのあいだを経めぐる集団的な経験へと誘われるのだ。End

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