富士通研究所、マスクのまま本人特定が可能な
非接触のマルチ生体認証技術を開発

▲実証中のマルチ生体認証技術の概要

富士通研究所は、マスクを着用していても本人確認ができる、非接触でクリーンなマルチ生体認証技術を開発したことを発表した。

同社が新たに開発した認証技術は、顔情報で照合対象者を絞りこみ、非接触のまま手のひらの静脈で本人を特定する生体認証を融合させたマルチ生体認証で、さらにマスクを着用していても、マスク着用なしと同等レベルの99%以上の高精度で本人特定ができるという。

▲マスクを顔画像に付加

一般的な顔情報を用いた絞り込み技術では、マスク着用時に顔の大部分が隠れるので、認証されないケースが数%程度あったとされる。そこでこの技術では、利用する顔画像にマスクを合成した顔画像を生成して学習させることで、マスクの有無による見え方の差異を抑え、マスク着用なしと同等レベルの99%以上の絞り込み精度が実現したそうだ。

そして、手のひら静脈認証センサーにおいても、認証に適した高さに手のひらの位置をスムーズに調整できるようにユーザーインターフェースを改善した。

▲手のひら静脈認証センサーの光ユーザーインターフェースによる認証イメージ

近年、実店舗での決済処理やイベント会場での本人確認などにおいて生体認証の活用が進んでいる。また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、非接触であったりマスク着用していたりしても本人確認ができることが求められている。

同社では、この新技術を使うことで、生体認証を活用した実店舗において、利用者はマスクの着脱動作なしに従来の高い認証精度での本人認証を行うことができ、スムーズな決済処理ができるようになるとしている。End