ソーシャルディスタンスをポジティブに再考
伊MANITU Design Labのプロトタイピング「(Not so) Distant」

私たちにとって2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、新しい習慣や新しい空間、そして新しい行動が生まれた1年となった。

なかでもソーシャルディスタンスの確保を余儀なくされ、これまで私たちが当たり前のように行ってきたことも改めざるを得ない事態となっている。

そこで、こうした状況をポジティブに考えようと、イタリア・コモのデザインスタジオ MANITU Design Labが新しいプロジェクト「(Not so) Distant」を公開している。

ソーシャルディスタンスを取りながらも、これまでの習慣にひと工夫を加えて人々のあいだに新しい「つながり」をもたせる、3Dプリントによるプロダクトシリーズのプロトタイピングである。

たとえば、ワイングラスに金属の玉のついた器具を取りつけ、これを指ではじくとグラスが鳴るようになっている。乾杯のときにグラスどうしを合わせるのではなく、距離を保っていつもの乾杯の身振りができる仕組みなのだ。

また、料理を置いたプレートの下にはひもがついたプレートを敷き、ひもの先に指で引っかけるリングを取り付けた。これにより、非接触で離れたところからプレートを引き寄せることができる。

このプロトタイピングについてMANITU Design Labは、私たちがこれまでの伝統をやめる必要はなく、デザインによってニューノーマルの時代を乗り越えることができるのだというメッセージを込めているそうだ。End

▲Alberto Zerbi

▲Chiara Molinari