コペンハーゲンの建築家 Else-Rikke Bruunによる
デジタル技術と工芸を融合させたスクリーン作品

▲Photography:Jens Lindhe, Dorte Krogh

デンマーク・コペンハーゲンを拠点に活動する建築家・デザイナー Else-Rikke Bruunは、これまでさまざまなスクリーン作品を手がけている。世界中から得たインスピレーションを反映させつつ、デジタル技術と伝統的な工芸技術を融合させた作品を得意としている。

最近では、デンマークのデジタル展覧会「Mindcraft Project 2021」において、スクリーン作品「Textile Veneer」を公開している。

▲Photography:Jens Lindhe, Dorte Krogh

文字通りテキスタイルとベニヤの薄板の組み合わせから生まれた作品で、現代の製造技術と伝統的な織りの技法をインテリアとして融合させている。

▲Photography:Jens Lindhe, Dorte Krogh

そのインスピレーション源は、同氏がメキシコ・オアハカを訪れたときに見た伝統的な織りの技術にあるという。合板をCNCフライス加工で何枚もカットし、これらをネジや接着剤を使わずに溝に差し込む形で織り合わせている。

▲「Textile Veneer」 Photography:Anders Sune Berg

こうして、テキスタイルのように軽くて波打つようなスクリーンができあがった。カラーは木目を際立たせるように仕上げており、これは織りのなかに見える一本一本の糸をイメージしているとBruunは語る。

さらに、織り合わせた板どうしのあいだには隙間が生まれ、そこに明かりが差し込むことで光と影の戯れも楽しむことができるという。

▲Photography:Anders Sune Berg

▲Photography:Anders Sune Berg

現代の住居はさまざまな使われ方をするものである。そこで「Textile Veneer」は、日本の屏風のように、工芸品として飾ることも空間を仕切る衝立のように使うこともできる、機能性と見た目の美しさを兼ね備えた、多彩な使い方を提供する日常のツールを目指したそうだ。End