杉本博司と榊田倫之の「新素材研究所」が改修を手がけた
丹波篠山の黒豆の老舗「小田垣商店」

▲小田垣商店 エントランス 写真 森山雅智/設計 新素材研究所 杉本博司+榊田倫之

兵庫・丹波篠山にある黒豆の老舗「小田垣商店」は、本店の大規模改修工事を経て、2021年4月14日(水)にリニューアルオープンした。

同店の本社敷地内には、江戸時代後期から大正時代初期にかけて建てられた10棟もの建物が国の登録有形文化財として登録されており、今回はそのうち5棟を杉本博司と榊田倫之が主宰する新素材研究所が改修。さらに、杉本博司が施設中央にある庭園の再構成を手がけた。

▲小田垣商店 ショップ 写真 森山雅智/設計 新素材研究所 杉本博司+榊田倫之

本店店舗にカフェやセレクトショップを併設し、店舗の正面に大きく掲げられた黒まめの扁額は、屋久杉板に杉本が揮毫している。

▲カフェ「小田垣豆堂」 写真 森山雅智/設計 新素材研究所 杉本博司+榊田倫之

▲石庭「豆道」 空撮 写真 森山雅智/設計 新素材研究所 杉本博司+榊田倫之

新素材研究所は、これまでに新しい建物のなかで古き良き素材や趣向を表現し、空間やそこに流れる長い時間を生み出してきた。だが今回のプロジェクトでは、過去に戻っていく修復のような形で取り組み、蓄積された時間と対話を重ねるという挑戦をしたという。

小田垣商店には、1700年代から1900年代初頭に至るまでの時間の変遷が蓄積されており、そこに想いを馳せて、「時代を還る建築」という考えをコンセプトとして掲げ、設計したそうだ。

また、リニューアルオープンを記念して、新素材研究所と、丹波篠山に拠点を置くセレクトショップ「archipelago」がコラボレーション。5月9日(日)まで期間限定のコンセプトショップ「Shinsoken + archipelago」をオープンしている。

▲Shinsoken + archipelago 写真 森山雅智/設計 新素材研究所 杉本博司+榊田倫之

空間のコンセプトを体現するショップとして、古くから残るものや使われなくなったものに新たな価値を宿すことをテーマとし、両者がさまざまなプロダクトをセレクト。丹波焼の窯元に古くから積み重ねられている「さや」を使った、「花屋みたて」とのインスタレーション形式での商品展示も実施している。End

期間限定コンセプトショップ Shinsoken + archipelago

期間
2021年4月14日(水)~5月9日(日)9:30~17:30
会場
小田垣商店 ショップ
詳細
https://www.odagaki.co.jp/