ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展
スペイン館「Uncertainty」の作品を披露

伊ヴェネチアでは、第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展が開幕した。スペイン館は「Uncertainty(不確実性)」をテーマに、他の分野と協力して未来の共存のための建築を披露している。

同展は今回、総合ディレクターの建築家 ハーシム・サルキース(Hashim Sarkis)が「How will we live together?」を総合テーマに設定。スペイン館は初めてキュレーターの公募を行い、カナリア諸島を拠点とするSofía Piñero、Domingo J. González、Andrzej Gwizdala、Fernando Herreraのチームを選出した。

34もある「Uncertainty」のプロポーザルは多岐にわたり、完成された作品よりもクリエイティブなプロセスを重視しているという。

その多くは一見して建築のようには思われないが、音楽や詩、教育、農業、映画、ダンス、テレビゲーム、観光といった分野と融合し、新たなコミュニケーションの形式を使いながら、「建物」という従来の機能がもつ枠を打ち破ることを目指した。

そして、「How will we live together?」への明快な回答ではなく、むしろ展示を通じてさらなる問いが無数に生まれることがねらいとなっている。また、こうした問いからは、私たちの未来は共生なのか、それとも無なのかというひとつの確実性が生まれるのだしている。

「Uncertainty」を手がける4人はおよそ30歳で、若い世代の建築家を映しだす手がかりでもある。それぞれが期待や問いを抱えながらたどる道筋には、不確実な状況への対処や、集団で社会福祉を探求していくうえで建築が果たすべき幅広い役割についてのメッセージが込められている。End