ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展・日本館
「ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡」を展示 

▲ⒸAlberto Strada

伊ヴェネチアでは、第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展が開幕している。日本館では「ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡」と題して、キュレーターを務める門脇耕三のもと、建築家・長坂常(スキーマ建築計画)をはじめ、建築家、デザイナー、イタリアの職人など、数多くのメンバーが参加している。

同展では、日本で築65年以上が経過し耐用年数が過ぎた1棟の木造住宅を活用。門脇の自宅前にあった「旧高見澤邸」が取り壊されることになり、その際に出てくる材料をひとつひとつ丁寧に分解、使用して展示することになった。

今回のコンセプトでもある、生産の連鎖を表現する上において大切な「資材置場(展示会場)」と「作業場(ピロティ)」をデザイン。そこで最初に日本の工事現場で日常利用している単管足場とブルーシートを使って仮囲いを行い、それを会場構成のベースとした。

▲ⒸAlberto Strada

そして、岩瀬諒子木内俊克砂山太一元木大輔の4名の建築家は、日本から持ってきた既存建物の部分を取り出し、組み直しが必要となる用途に転用して、単管足場の補強を得ながら「展示会場(中庭)」を構成し、「旧高見澤邸」の二次利用の提案を行った。

▲ⒸAlberto Strada

▲ⒸAlberto Strada

また、この作業場内で余ったバラバラの資材を使って小さな家具を作ったり、会期後の再々利用=三次利用を想定したデザイン提案を実施。そこですでに自立している単管足場に寄生するために、48.6φに先を加工する単管への接続方法を考え、丸鋸旋盤加工機を考案した。

▲ⒸAlberto Strada

その丸鋸旋盤加工機は、変形して互いにピッタリ合わない材も円柱のオスメスを作ることで、綺麗な組み立てを可能にしている。End

▲ⒸSchemata Architects