成瀬・猪熊建築設計事務所がCLTの利用で手がけた
岐阜県のコスメブランド「meet tree」の店舗デザイン

▲写真:西川公朗

岐阜県中津川市で100年続く老舗木材会社から生まれた新しいボタニカルコスメブランド「meet tree」の直営店「meet tree NAKATSUGAWA」が、岐阜県中津川市に2021年3月オープンした。店舗設計は成瀬・猪熊建築設計事務所が手がけている。

▲写真:西川公朗

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▲写真:西川公朗

店舗は防火地域にあるために100㎡未満となったが、地元の桧をつかったコスメショップや地元食材を使ったスイーツ店、ネイルサロンが複合した建築となっている。

ブランドだけでなく建築も新たな取り組みをしようと、中津川地区と同ブランドを展開する丸山木材工業にとって初となるCLTの利用がコンセプトになった。

▲写真:西川公朗

▲写真:西川公朗

▲写真:西川公朗

敷地は中山道とこれに直行する小道に面する角地で、店舗として接道する2面は道に開き、隣地に接する面は住宅地であることに配慮して、できる限り開口部を開けないことが前提となったという。

しかし、こうした構成はCLTパネル工法にはそぐわず、一部だけ耐震要素を柱・ブレースにして壁をなくすようなことは、基本的にはできないそうだ。また、内部空間も、訪れた客が他の店にも立ち寄るような動きを作り出すため、全体を巨大なワンルームとして、なるべく壁を排除することを望んだが、CLTパネル工法では奥行きを遮るように壁が落ちてしまうことになる。

そこで、おおまかな場の規定は分厚いCLTの屋根が担い、あとは展示什器やカフェカウンターなどによって場の用途が定まることを目指して、敷地の特性と内部の場作りのどちらにとっても、すべての構造をCLTで行わず、在来木造の上にCLTを載せるという構造形式を採用。

▲写真:西川公朗

▲写真:西川公朗

▲写真:西川公朗

▲写真:西川公朗

▲写真:西川公朗

この規模であれば、CLTパネル工法に比べて確認申請が簡易な4号建築となり、ルート計算などを必要とせず、1級建築士でなくても対応可能となる。

純粋なCLT構造ではなくなったかのように見えるが、地方で木造住宅を手がける建築士や工務店がみな参加できる、まちに大きくひらいた建築を可能にし、CLTを建築・建設業界にひらく工法となっている。End