MITとハーバード大、新しいマスクを開発
90分でコロナ感染の検査が可能に

▲Image: Felice Frankel and MIT News Office.

新型コロナウイルスの感染防止対策としては、マスクの着用が有効な手段のひとつだとされている。しかし、マスクをしていても、私たちが実際に感染しているかどうかまではよくわからないだろう。

そこで、米マサチューセッツ工科大学とハーバード大学の研究グループは、およそ90分以内で着用者が新型コロナウイルスに感染しているかどうかを検査できる新しいマスクを開発した。

このマスクには使い捨ての小型センサーが取り付けられており、白衣などの衣服にも装着することが可能。さらに、ほかの種類のウイルスの検出にも使えるようにできるそうで、医療従事者の感染をモニタリングする新たな方法になる可能性があるとしている。

研究チームはこれまで、エボラ出血熱やジカ熱を検出する紙ベースのウイルス検査センサーを開発。これは「セルフリー(cell-free)センサーシステム」と呼ばれるものだそうで、細胞機構を乾燥凍結させて合成繊維に埋め込み、これにウイルス粒子を含んだ液体飛沫がかかると、センサーが活性化して色の変化や発光を起こす仕組みだという。

▲Courtesy of the researchers

今回は、新型コロナウイルス対策向けにこのセンサーを紙製マスクに内側に装着。これにより、装着者の呼吸を通じてウイルスの検出が可能になる。

そして、マスクには小型の「水タンク」も取り付けられていて、ボタンを押せばテストを実施。乾燥凍結されたセンサーが水和され、呼吸によりマスク内部に溜まった液滴が分析され、90分以内に検査結果が出る。

また、検査結果はマスクの内側にのみ表示されるので、テストを行った人のプライバシーも守られるのだそうだ。End