成果発表の場を求めて
東京藝大生がクラウドファンディングを開始

昨今のコロナ禍により、多くの学びや展示の機会が失われているが、東京藝術大学大学院の学生たちが成果発表の場を求めて新たなクラウドファンディングを開始している。

今回の目標は、2020年度は中止となっていた国際的なデザインプロジェクト「Which Mirror Do You Want to Lick?(WMDYWTL?)」を実現させることである。

「WMDYWTL?」は、実験的なアプローチで知られるイギリスのデザイナー集団 Åbäke(アバケ)、ユニークな書体デザイン知られるラディム・ペスコ、グラフィックアートのキュレーター、ゾフィ・デデレンらが仕掛ける「対話を中心にしたワークショップの成果を展示に帰結させるプロジェクト」である。

グラフィックデザインが生み出すリアリティをテーマにした展覧会で、内容の研究・理解から展示作品の制作、広報、最終的な展示計画まで、ほとんどすべてが学生主体で展開されるのが特徴だ。

東京藝術大学の参加メンバーは、ビジュアル・コミュニケーション専攻の大学院生を中心に、インテリア、映像、建築、批評・理論系、キュレーション系まで、様々なスキルや知見を持った学生たち約30人で構成。

コラボレーターには、ÅbäkeのMaki Suzuki、ラディム・ペスコ、ゾフィ・デデレンと、日本側の講師には元Idea誌編集長の室賀清徳、デザイナーでOBの鈴木哲生、東京藝大デザイン科の松下計教授が参加する。

学生たちはこのプロジェクトを通じて、答えのない問いに対して「リサーチと対話を中心に据えながら、自分たちなりの理解を形作る」という、ヨーロッパ型のデザインプログラムが体験できるそうで、実際の展覧会以上にそれを作り上げるまでのプロセスが非常に重要だという。

また、その成果として、2021年10月18日(月)から11月7日(日)まで、東京藝術大学陳列館において展覧会「Which Mirror Do You Want to Lick?/デザインにおける虚構と現実の狭間」を開催する予定となっている。End