クライン ダイサム アーキテクツによる
有機的な表情をもたらす「カルティエ 心斎橋ブティック」

▲© Cartier

ジュエリーブランドのカルティエはこのほど、大阪・心斎橋の一角に「カルティエ 心斎橋ブティック」をリニューアルオープンした。

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クライン ダイサム アーキテクツ(KDa)が手がけたデザインは、心斎橋の交差点にあるさまざまなブランドがメタリックでガラスを多用した硬質なファサードであるのと対照的に、有機的な表情をもった親しみと温かさのある木製のファサードで仕上げている。

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ジュエリーに対して責任をもつカルティエというブランドを尊重して環境に配慮し、再生可能でリサイクルされた素材を採用。ファサードの素材には、建築材料として歴史があり、温かみを感じさせるヒノキ材を岐阜県と京都府から調達し、構造体にはリサイクル可能なアルミニウムを用いた。

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クラシカルなカルティエのジュエリーと、日本伝統のヒノキの酒枡からインスピレーションを得た、ダイヤモンド型のウッドピースを積層した幾何学パターンのファサードには、60~70年をかけて自然乾燥された国産のヒノキ材を使用。

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正面、角、アーチ窓の際など、12の異なる形状のウッドピースがデザインされており、ひとつひとつ京都の木工職人の加工技術によって丁寧に仕上げた。全体では、2,500以上ものウッドピースが使われているという。

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既存建物の足元に位置するのは、2層吹き抜けのエントランスアーチとサイドウィンドウ。既存外壁に支持するために、わずか200mmの幅で設置しなければならなかったそうだが、ウッドピースを支えるフレームをアルミキャストでユニット化し、順序よく取り付けることができたそうだ。

また、ファサードのヒノキ材には、自然な木目と色あいが長い期間保たれるように耐紫外線性のコーティングを施した。

昼は北東向きの面が朝の陽射しに照らされて木の美しい表情を引き立て、夜はウッドピースの背後に設置したLEDライトがひとつひとつを浮かび上がらせるなど、ファサードの立体感を高め、魅力的で温かみのある輝きを放っている。End

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