ミラノサローネで「The Lost Graduation Show」開催
世界のデザイン学校の卒制を展示

▲Seam of skin by Chiaki Yoshihara, Musashino Art University, Image credit : Yunosuke Ishibashi

ミラノサローネでは、「supersalone」の展覧会のひとつとして、ライター・キュレーターのアンニーナ・コイヴ(Anniina Koivu)のキュレーションによる「The Lost Graduation Show(幻の卒業作品展)」が行われた。

今回は、世界22カ国・48のデザイン学校から2020年から2021年の間に卒業した学生による170のプロジェクトを展示した。

デザイン学校がこれまでにないアイデアを生み出す場所となり、新しい世代のデザイナーに対して、現在と未来のために責任をもつ、知的で有用なアイデアを刺激する場所となることを促す展覧会である。

プロジェクトは、モビリティ、ヘルスケア&スポーツ、インクルーシブデザイン、素材研究、サステナビリティなど、家具デザインの全領域を網羅する、サローネ初の試みだという。

▲Emineo extendable table by Charlotte Krzentowski, ECAL Ecole cantonale d’art de Lausanne, Image credit : Olivia Dall’Omo

▲New Winds, Green Sails by Jean Munck, Aalto University School of Arts, Design and Architecture, Image credit : Jean Munck

困難な時代に立ち向かう社会のニーズや要望に応えようとするものがみられ、プロダクトでは、工業製品だけでなく、小規模なもの、さらには素材や生産システムの使用方法を模索し、オブジェでは、最先端の思考や深い感性が表現されている。

▲Biodegradable Medical Clothing by Benjamin Bichsel, ECAL Ecole cantonale d’art de Lausanne, Image credit : Alexandra Dautel

▲Kaarigari tapestry by Rashmi Bidasaria, RCA Royal College of Art, Image credit : Rashmi Bidasaria

▲Alea collection by Lavinia Bonvini & Matteo Guerci & Davide Zago, IED Istituto Europeo di Design

また、パビリオン4の「The Lost Graduation Show」は、材料を無駄にしない仮設展示を作るという緊急の必要性がテーマとなった。

▲Jet Set Project by Leo Koda, Musashino Art University, Image credit : Kohshi HOSHINO

標準化されたランドスケープとして考えられたこのインスタレーションは、Xella Italia社が提供するモジュール式の、高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート「Ytong」という単一の素材を中心に構成。解体された部品はすべて、建設の生産サイクルに戻されるそうだ。

なお、国際的な専門家やデザイン界の中心人物からなる審査員が展示されたプロジェクトを評価し、各カテゴリーの最優秀作品に賞を授与。

▲Stilo by Martina Cappabianca & Alessia Cipro & Fabrizio Lombardi, IED Istituto Europeo di Design

▲Helix (collapsable, single-material vaccination syringe), by Ithzel Libertad Cerón López and Daniel López Velasco, Tecnológico de Monterrey, Image credit : Helix by Ithzel Libertad Cerón López and Daniel López Velasco

▲Lumi by Pietro Mondoni & Mican Mitev, Scuola Politecnica di Design

▲Yolkkh by Amna Yandarbin, VCU Virginia Commonwealth University School of the Arts in Qatar, Image credit : Raviv Cohen

作品はデジタルプラットフォームにアップロードされている。誰でも見ることができ、希望者は若手クリエーターと直接コンタクトを取ることも可能だ。End