世界初の自動運転列車「デジタルSバーン」
独ハンブルクの都市高速鉄道網で導入へ

ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)とシーメンスモビリティ(Siemens Mobility)は2021年10月11日(月)、世界初となる自動運転列車「デジタルSバーン」を発表した。ドイツ・ハンブルクの都市高速鉄道網「ハンブルクSバーン(S-Bahn Hamburg)」での導入を目指している。

ハンブルクSバーンには69の駅があり、一日あたりの乗客は75万人にのぼるという。ハンブルクでは、2040年までに人口が200万人を超えると予測され、これにともなって輸送量も増加することが見込まれている。

この課題を解決するには運行本数を増やすほかないが、その解決策のひとつとして期待されていのが鉄道の自動運行である。これにより、本数が大幅に増加するとともに運行ダイヤが最適化され、より安定した時刻表の確立や、さらには電力消費の削減にもつながるという。

この「デジタルSバーン」は今回、ハンブルクで開催されたITS(高度道路交通システム)世界会議のオープニングで初公開。会期中、ベルリナー・トール(Berliner Tor)駅とベルゲドルフ/アウミューレ駅間のSバーン21号線・23kmの区間を、デジタルSバーン4便が自動運行した。

鉄道のデジタル運行は、ヨーロッパの統一列車制御システム(ETCS)も含めた、将来的な自動列車運転規格(ATO)に合わせたものになり、列車は無線で制御信号を受信することになる。

また、これら4本のデジタルSバーン車両は今年12月から定期運行を開始。この10年間でハンブルクSバーン全体をデジタル化する計画もすでに進行、車両とインフラへの投資も行われ、地域鉄道網や幹線鉄道網など全国規模での導入が計画されている。End