帝国ホテル東京新本館建て替え、設計は田根 剛に決定。

今年開業から130周年を迎えた日本を代表するグランドホテル「帝国ホテル」。建て替えのデザインアーキテクトに、ATTA(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)の田根 剛が起用されることが発表された。

▲帝国ホテル代表取締役の定保英弥(左)と建築家の田根 剛。

帝国ホテルは、フランク・ロイド・ライトの建築をはじめとして、今までに大きく3回姿を変えている。4回目の今回は、最初にタワー、次いで本館の建て替えを行い、完成は2036年。総事業費が2,000億円から2,500億円を見込む長大なプロジェクトだ。

▲Image:Atelier Tsuyoshi Tane Architects 帝国ホテル東京新本館イメージパース
※検討段階のものであり今後行政協議などにより変更となる可能性があります。

建築家起用にあたり、帝国ホテル代表取締役の定保英弥は、15年をかけたプロジェクトだということもあり若手の建築家を起用したかったこと、ホテルと一緒に共同で設計に携わってくれる建築家であること、また田根の「未来への記憶」という、その土地の持つ記憶を大事にするという考えに共鳴して決定したと語る。

設計概要はまだ決まっていないことが多いが、「東洋の宝石」をコンセプトに、迎賓館として始まった帝国ホテルの歴史を踏まえて、「宮殿」の構えと周辺に威圧感を与えないピラミッド型の「塔」とが融合した外観を構想していると田根は説明する。またフランク・ロイド・ライトのデザインの継承として、石という素材を生かしたいと抱負を語っていた。

そこではここで過去の帝国ホテルがどんな姿をしていたのかを記憶にとどめ、15年後の帝国ホテルに思いを馳せよう。

▲渋沢栄一らによって明治23年、1890年に開業した帝国ホテル。幕末に生まれた建築家渡辺 譲の設計。

▲フランク・ロイド・ライト設計の2代目帝国ホテル。1923年9月1日落成披露準備中に関東大震災が発生したのは有名な話。

▲現在の帝国ホテル。高橋貞太郎の手により1970年に竣工した。

明治村に移築されたライトの帝国ホテルを見たとき、田根は大きく心を動かされたと言う。4代目となる「東洋の宝石」は、歴史的建築サイトであるこの地にどんな顔を見せてくれるのか。田根の手腕に期待したい。(文/AXIS 辻村亮子)End