オカムラと慶應義塾大学SFC研究所
3Dプリントのオフィス家具「Up-Ring」を発表

オカムラは、慶應義塾大学SFC研究所ソーシャル・ファブリケーション・ラボ(代表:田中浩也 環境情報学部教授)と共同で、3Dプリンターで製作するバイオマスプラスチック素材のオフィス家具デザイン「Up-Ring(アップリング)」プロジェクトを立ち上げ、チェアやテーブルのデザインを開発した。

▲テーブル

同ラボは、地球環境時代のものづくりの指針となる「リープサイクル」という新たなコンセプトを提唱。大型3Dプリンティング技術を活用し、これまでになかった新しい価値や機能を製品に付加しながら、後にリサイクルしやすいように材料の単一化(モノマテリアル化)も同時に進めるものである。

「Up-Ring」プロジェクトでは、3Dプリンターでの生産によって金型が不要となり、生産準備段階での費用削減を図ることができ、製造時の無駄な材料消費や騒音、消費電力を抑えられる。また、1台だけの生産も可能となる。

今回はハイバック、ローバック、テーブルも3点を作製。チェアは、バランスボールのように座っている人が自ら重心を移動させることで柔軟に姿勢を変化させ、なおかつ背中や膝の安定性も確保することができる新たな形状とした。

▲ハイバックチェア

▲ローバックチェア

材料となるバイオポリエチレンは、生育の過程でCO2を吸収(固定)するサトウキビから作られており、石油化学系ポリエチレンに比べてCO2発生量を70%削減。強度や耐久性などの基本性能を備えているという。

単一材料で作られるため、粉砕後は再度3Dプリンターで成形することが可能。非可食成分から製造されるので、食料との競合も起こりにくくなっているそうだ。End