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2022.01.20 14:41
世界の都市に向けてデジタルツインを開発・提供するCityzenith(シティゼニス)は、米ラスベガスのデジタルツイン開発が第1段階を終了したと発表した。
同社が展開するのは、「SmartWorldOS™」と呼ばれるプラットフォーム。もとは大規模な複合施設や不動産のポートフォリオを設計・構築・管理するためのものだったが、インフラやエネルギー計画、輸送、健康、人の移動、さらには都市全体までもカバーできるのが特徴だ。
これをもとに、世界の各都市のデジタルツインを構築。建物のCO2排出量をリアルタイムで集計・分析・管理・報告して、都市のCO2排出を削減し、地元の不動産所有者のコスト効率の向上を支援する。現在はロサンゼルスやフェニックスなど、アメリカの主要都市でプロジェクトが進行しており、さらに10以上の都市でも計画されている。
今回は、ラスベガスの建物がCO2排出量ネットゼロに移行するのをサポートするために、このテクノロジーを採用。第1段階では、同市のダウンタウンエリア 7㎢のデジタルツインを作成し、これにさまざまな都市データを統合した。これらの分析を通して、将来的にはモビリティや大気汚染、騒音、水管理システム、とりわけ主要な建築物からのCO2排出の刷新を図るそうだ。
また、第2段階では、不動産所有者や政府機関、大学の研究者、データ提供者、建築家、さらにはカジノ経営者などが参加して、さらに規模が拡大する見通しだ。
アメリカにあるオフィスビルのうち、建物を脱炭素化したグリーンビルディングは、全体の1.7%にとどまるという。Cityzenithのデジタルツインを使えば、建物のオーナーがグリーンビルディングへの改装をするうえで、有利な融資が受けやすくなるとしている。