実験的な創作を行う現代美術家を紹介する展覧会
「感覚の領域 今、『経験する』ということ」

大阪・中之島にある国立国際美術館は、独自の視点と手法により、現代美術の分野で実験的な創作活動を展開している7名の美術家を紹介する展覧会「感覚の領域 今、『経験する』ということ」を2022年2月8日(火)から5月22日(日)まで開催する。

今日、人々を取り巻く環境は激変し、それが一人一人の心のありように大きな影響を及ぼすなど、人類は数々の地球規模の困難な問題に直面している。さらに、コロナ禍により、われわれの生活習慣は大きく変化し、日常生活において多くの行動が制限されるなかで、新しい経験のあり方が問われるようになってきた。

こうしたなか、現代美術は、人々に多様な経験の機会を提供する媒体として注目を集めているという。たとえば、全身の感覚を伴う身体的なもの(飯川雄大、今村源)から、反応へと訴えかけるもの(伊庭靖子、中原浩大、名和晃平)、記憶や想像力を動員する思考的なもの(大岩オスカール、藤原康博)まで、それぞれが経験の多様性を示唆している。

また、「美術=視覚芸術(ビジュアルアート)」という捉え方は、すでに過去のものになったと言えるのかもしれないとする。現代美術は、今や身体を含めた全感覚的な存在になったと考えられるからだそうだ。

▲[参考図版]中原浩大《Text Book》1995 年
©Kodai Nakahara, photo: Shigefumi Kato, Courtesy of Gallery Nomart

▲大岩オスカール《Big Wave (2020)》2020 年 作家蔵
©Oscar Oiwa Studio

▲[参考図版]飯川雄大「デコレータークラブ 配置・調整・周遊」2018 年
(あまらぶアートラボ A-lab での展示風景)
©Takehiro Iikawa, photo: Hyogo Mugyuda, Courtesy of A-lab

そこで同展は、今日の美術と人間の感覚を取り巻く状況を踏まえながら、美術家たちの進行形の状態にある先鋭的な試みに焦点を当てて紹介する。展示空間は「感覚の実験室」となり、作品が完成された表現であると同時に、これから何物かになろうとしている、可変的な存在である、ということを鑑賞者は理解するだろう。End

特別展「感覚の領域 今、『経験する』ということ」

会期
2022年2月8日(火)~5月22日(日)
開催時間
10:00~17:00、金曜・土曜は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
休館日
月曜日(ただし、3月21日(月・祝)、5月2日(月)は開館し、3月22日(火)は休館)
会場
国立国際美術館
詳細
https://www.nmao.go.jp/events/event/sense/