ピアノが江戸文化に日本独自の進化を遂げたら?
ヤマハが「和家具様式ピアノ」を公開

ヤマハは、千葉大学工学部総合工学科デザインコースとの産学共同で制作した和家具様式のピアノ「墨田の洋琴(ピアノ)」のプロトタイプ3作品を、2022年3月18日(金)から3月20日(日)まで東京都墨田区の千葉大学墨田サテライトキャンパスで開催される「千葉大学合同卒業研究・制作展2022」にて展示する。

▲弾き箪笥(箪笥型トイピアノ/プロトタイプ/演奏可能)
「祝いごとに箪笥を贈る」という文化にも着目し、子どものための大切なものをしまう小さな箪笥の引き出しに、トイピアノの鍵盤をあしらった。

デザインのテーマは「日本独自のピアノの進化」。ピアノが日本に伝来したのは、ヤマハの創業者・山葉寅楠が誕生した時代に近い幕末の頃とされ、その後もピアノはその姿を極端に変えることはなく、また同社でもヨーロピアンスタイルのピアノを作り続けてきたという。

また、千葉大学が2021年4月1日にサテライトキャンパスを新設した東京・墨田地区には、空襲を逃れた貴重な長屋が今も残る。

そこで同プロジェクトでは、「もしも鎖国時代にヤマハとピアノが存在したら、江戸の生活様式の中で進化を遂げたピアノはどのような姿がありえたか?」という思考実験に取り組み、その成果発表として3作品を架空の「洋琴屋」に見立てた会場で紹介する。

▲音机(文机型トイピアノ/プロトタイプ/演奏可能)
机として使うだけでなく、本を読みながら思いのままに鍵盤を弾いたり、思い浮かんだ旋律を書き留めたりと、生活に寄り添いながら音の彩りを与える。

▲透き間(間仕切り型トイピアノ/プロトタイプ)
縦に並んだ音板の隙間を通して、向こう側の気配や周りの空間を感じながら演奏するという体験価値を提案する。

同社は、千葉大学デザインコースの学生とともに、長屋の生活様式を江戸時代に遡って観察。江戸の下町文化の延長線上にある、日本らしいピアノの在り方について仮説を示す和家具様式のピアノ「墨田の洋琴」のプロトタイプ3作品ができあがったそうだ。End

千葉大学合同卒業研究・制作展 2022

会期
2022年3月18日(金)~3月20日(日)11:00~19:00
※入場無料、下記サイトより事前予約制
会場
千葉大学 墨田サテライトキャンパス 4F
詳細
https://chibasotsuten-dual.studio.site/