アール・デコの様式美が楽しめる
東京都庭園美術館に「アール・デコの貴重書」開催

▲東京都庭園美術館 外観南面

東京・白金の東京都庭園美術館では、1920~1930年代のアール・デコ期の貴重書に着目する展覧会「アール・デコの貴重書」が2022年4月23日(土)から6月12日(日)まで開催される。同展は、1933年に竣工した旧朝香宮邸(現・東京都庭園美術館本館)の建築としての魅力が楽しめる建物公開展として行われる。

▲「建物公開2022 アール・デコの貴重書」展 ポスター

朝香宮夫妻は1920年代の滞欧中、当時全盛期だったアール・デコの様式美に魅せられ帰国したという。そして、白金の地に自邸を建設するにあたり、主要な部屋の内装設計をフランスの室内装飾家アンリ・ラパンに依頼。ルネ・ラリックをはじめとしたデザイナーも参加し、フランス直輸入のアール・デコ様式を取り入れた邸宅が完成した。

こうした背景から、同館ではフランスの装飾美術に関する書籍や雑誌、1925年のアール・デコ博覧会に関連した文献資料等を所蔵しているそうだ。そこで同展では、華やかなショーウインドウの写真集、博覧会やインテリアの特集雑誌、色鮮やかに表現された絵本など、アール・デコ期の貴重書を中心に、本館と新館それぞれに展示する。

▲『近代装飾芸術年鑑』1924年、東京都庭園美術館蔵

▲『アンサンブル・モビリエ』1925年、東京都庭園美術館蔵

▲『イリュストラシオン』 1933年5月、東京都庭園美術館蔵

▲『20世紀近代装飾芸術百科事典』1927年、東京都庭園美術館蔵

また、この本館は、現在は美術館として使われているが、内部の改造はわずかにとどめ、旧朝香宮邸の竣工時の様態を色濃く今に伝えている。今回の建物公開展では、窓のカーテンを開け放ち、自然の光を感じる空間で、壁・床・天井、建具や照明など、家具や調度を用いた邸宅空間の再現展示も楽しむことができる。End

▲東京都庭園美術館本館 大客室壁画

▲東京都庭園美術館本館 ベランダ

▲東京都庭園美術館本館 大食堂

展覧会「建物公開2022 アール・デコの貴重書」

会期
2022年4月23日(土)~6月12日(日)
10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日
毎週月曜日
会場
東京都庭園美術館(本館+新館)
詳細
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/220423-0612_EncountersWithArtDecoBooks.html