NEWS | コンペ情報 / 建築
2022.04.01 15:56
優れた建築やデザインのアイデアと実装を見出し紹介するアワード「Design Educates Awards」は、2022年の受賞者を発表した。3回に分けて、注目するプロジェクトを届ける。今回は、「建築デザイン」部門の受賞プロジェクトを紹介。
同部門の金賞を受賞したのは、Tropical Spaceの「Terra Cotta studio」である。ベトナム・ディエンバンでのプロジェクトで、スタジオと展示スペースを兼ねた、伝統的なテラコッタのレンガを積んだ7×7×7mの立方体である。太陽光がアトリウムから差し込み、ターンテーブルがある中央を照らし、職人たちは光と影の境界で作業をするそうだ。外部と内部が相互作用する空間で、スタジオ内で作業をしていると、風に揺れる葉の音や鳥のさえずりが聞こえ、付近の川の流れを感じることができる。
銀賞のWiki Worldによる「Wiki World Natural Camp」は、中国・武漢の郊外にできた自然あふれるキャンプサイト。10棟を超えるキャビンがあり、教育施設もあるという。自発的に構築される「Wiki」の世界観が自然の建築にも広がるというコンセプトで、チームとユーザーが共同でプレハブの木造建築をレゴブロックのように建てることができるのだそうだ。
銅賞を受賞したのは、Insitu Projectによる中国河南省でのプロジェクト「House of Dreams」。周山村に残された集落を農村開発訓練センターに改修する取り組みである。洞窟のような19の住まいを改装し、新たな建物を設置。伝統と技術を復活させるとともに、壁や中庭に廃材を使うことで、地元の集団的な記憶を取り戻すことを目指している。
また、特別賞にはUrban Beta UGの「BetaPort – Circular Building Technology On-Demand」と、eM4. PRACOWNIA ARCHITEKTURY. BRATANIEC MARCIN BRATANIECの「Educational pavilion with a recreational clearing on the banks of the Vistula River.」が選ばれた。
前者は未来の循環型建築のためのソリューションで、時間が経つにつれて拡張させたり、将来のユースケースに合わせたり、最大効率のレイアウトを実現するなど、柔軟な使い方ができるアダプティブな空間を提供する。
後者はポーランド・ワルシャワの石のような形をしたパビリオンで、氷河から生まれた石をイメージ。自然のプロセスや場所の物語を提供する建築となっている。