自律的で持続可能なデザイン
太陽光と海水による「Solar Desalination Skylight」

▲Winner of the year in Responsive Design – Solar Desalination Skylight – Henry Glogau Studio

優れた建築やデザインのアイデアと実装を見出し紹介するアワード「Design Educates Awards」は、2022年の受賞者を発表した。

同アワードには「建築デザイン」「プロダクトデザイン」「ユニバーサルデザイン」「レスポンシブデザイン」の4カテゴリーがあり、見た目の美しさや技術的な卓越性だけでなく「教育効果(educational impact)」を備えた、優れた付加価値をもつデザインを求めている。3回に分けて、注目するプロジェクトを届ける。

今回は、「レスポンシブデザイン」部門で大賞を受賞した、Henry Glogau Studioによる「Solar Desalination Skylight」を紹介。

チリ・メヒヨネスにある太陽光と海水が豊富なコミュニティで利用されているというこの装置は、天井に設置するもので、天井の上は太陽光を吸収する仕組みになっている。さらにこの装置には海水が入っていて、これを飲料水に転換する。

まず、装置に太陽光が入ると海水が蒸発し、残った塩から塩電池が作られる。これが銅と亜鉛のチューブと反応して発電するという仕組みである。装置には12個の海水バッテリーがあり、夜間はLEDライトストリップに電力を供給して部屋を明るくしてくれる。また、日中はミニソーラーパネルで充電もするそうだ。

一方、気化した水は下部に溜まり、飲むことができる。さらに、水と光が合わさることで、室内に柔らかな雰囲気の美しい明かりをもたらしてくれる。電気の使用を抑えながら、明るいワークスペースや家族のだんらんの場が生まれるのだ。

また、ペットボトルや缶、ナイフ、テープなど、どこにでもある手頃な材料を使った「ローテクバージョン」も製作。コロナ禍のような外出困難な状況でも飲料水にアクセスすることができる。

この「Solar Desalination Skylight」は、資源不足という将来的な課題があるなか、パッシブな循環システムを介して生活の基盤となるリソースを生み出すことができる、自律的で持続可能な多機能ソリューションなのである。End