西陣・細尾の帯図案を機械学習と着彩で解釈する
企画展「MILESTONES-余白の図案」

京都市左京区の京都伝統産業ミュージアムでは、京都・西陣の細尾に残された約2万点におよぶ帯図案の「余白」のデザインに着目する特別企画展「MILESTONESー余白の図案」が、2022年4月23日(土)から7月18日(月・祝)まで開催される。

細尾は2014年から京都芸術大学と「MILESTONES」プロジェクトをスタートし、同社が所蔵する約2万点に及ぶ帯図案のデジタルアーカイヴ化を進めてきた。これは、次世代が活用できるアイデアソースを残すためであり、学生のダイナミックな感性で帯図案を新しいデザインに展開することを目指すためでもあるという。

▲アーカイヴ図案

そこで同展では、この膨大なデータを活用して、コンピュテーショナル・デザイナーでプログラマーの堂園翔矢が機械学習によって生成した新たな図案と、「カラーとコンセプト」を特徴とするクリエイティヴ・ユニットSPREADが、独自の解釈で着彩した過去の図案をインスタレーションとして公開する。

▲MILESTONES

「図案」という言葉は明治期に「デザイン」の訳語として生まれたそうで、その源流の1つは京都における工芸の近代化にあるという。以来、産業・教育の両面から、図案を土台とした工芸の創作活動が一般に普及したそうだ。

西陣織でも約20もの分業された工程は図案の作成から始まる。同展で紹介される約2万点の図案は下書きにあたる未着彩の図案となる。これらは図案家が後世のクリエイションのために残した「余白」であり、今回は機械学習と着彩によるこうした図案の解釈を披露する。End

▲堂園翔矢

▲SPREAD

特別企画展「MILESTONES-余白の図案」

会期
2022年4月23日(土)~7月18日(月・祝)
開催時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
※4月25日(月)、5月30日(月)、6月27日(月)は休館
会場
京都伝統産業ミュージアム 企画展示室
詳細
https://kmtc.jp/special/2022/03/28/5523/