エストニア・タリンで建築展が開催
「代謝」をテーマに食料と建築の関係を考察

▲©TAB 2022 curatorial team

エストニア・タリンの建築イベント「Tallinn Architecture Biennale 2022」が、2022年9月7日(水)から10月31日(月)まで開催される。タリン市内の複数の会場にてさまざまな展覧会やシンポジウムが行われる予定だ。

6回目となる今回のテーマは「Edible; Or, The Architecture of Metabolism(エディブル、あるいは代謝する建築)」。建築家やプランナー、環境デザイナーとともに、循環的な取り組み、食料やエネルギーといった資源の産出、さらには自己分解を目指して、建築がもつ豊かな表現力を積極的に発信するという。

このテーマのもと、建築を通じた現地生産と自給自足のための戦略を考えるとともに、都市生活の副産物を活用する取り組みを探求。「作る・使う・処分する」というこれまでのリニアなシステムを循環システムに置き換え、素材や資源のロスを減らすことを目標にするという。

▲©TAB 2022 curatorial team

さらに同展では、成長、腐敗、消化、養分放出といった自然界の代謝を都市や建物の領域へと落とし込んでいくそうで、キュレーターのLydia KallipolitiAreti Markopoulouは食料と建築について熟慮することを求めている。

▲©TAB 2022 curatorial team

彼女たちが手がける展覧会「EDIBLE」では、代謝プロセスを実現する建築の力を通して地球のフードシステムを再考するそうで、さまざまな参加者とともに「代謝する家」「レンガから土へ」「食料と地政学」「建築とフードシステムの考古学」「未来の食料計画」の5つのプロジェクトを展開する。

▲©TAB 2022 curatorial team

彼女たちは、「構築環境がもつ採取や消費、汚染という性質に疑問を投げかけるとともに、資源を生成し、廃棄物を消化し、自己分解するような建築を構想しています。公衆衛生や気候変動、社会的不平等といった危機に直面するなか、露わとなったサプライチェーンの脆弱性が新しい形の現地調達・現地生産を促すでしょう」と語っている。End

▲Tallinn Bird Factory aviary, which can hold 6,000 chickens (1966). Haapsalu and Lääne County Museums Foundation

▲Kurtna Experimental Poultry Station Laboratory (1960-1970)

▲Reinu Farm Kitchen

▲Greenhouse of Pärnu Nature House (2013), collected from Kodumaa picture competition (2015)

▲Lydia Kallipoliti ©Carmen Maldonado

▲Areti Markopoulou ©Daniela Figueroa Claros