イスラエルのフードテックが開発する
藻類でできた「代替スモークサーモン」

▲画像提供:PRNewsfoto/SimpliiGood

素材や燃料の原料として「藻類」の活用が注目を集めているが、イスラエルのフードテック「SimpliiGood」はこのほど、藻類のひとつ「スピルリナ」のみを使った「代替スモークサーモン」の開発を進めている。

この植物ベースの代替サーモンは、アメリカの香料メーカーであるIFF(インターナショナル・フレーバー&フレグランス)と共同で開発するもので、SimpliiGoodが原材料、質感、色合いを担当、IFFが風味と香りを手がけるという。

スピルリナは、栄養価の高い植物ベースのタンパク質の1つで、抗酸化物質やクロロフィル、B 12などのビタミン、ミネラル、鉄が豊富に含まれているとされる。従来は乾燥・粉末状のものがほとんどだったが、SimpliiGoodはスピルリナを栽培し、特定の種類の生のスピルリナだけを使用している。

外観や色、質感、風味など、本物のスモークサーモンに近づけているそうで、新鮮なスピルリナを使い、加工も最小限。なおかつ健康に害を及ぼすような水銀や化石燃料、産業廃棄物などの不純物もないクリーンラベルの食品で、タンパク質を40%含んでいる。

また、スピルリナだけを使ってサーモンに似た肉塊を形成するプラットフォームにより、本物と同じような口当たりを実現したり、スピルリナに含まれる天然のベータカロチン色素を識別・分離して、サーモンと同様のオレンジ色を作り出したりするなど、技術革新が大きな役割を果たしている。

SimpliiGood によると、この代替スモークサーモンは2023年末までに一般販売される予定。2020年には、世界のサーモン売上高は約130億ユーロ(約1兆7000億円)を記録しているそうで、同社は代替スモークサーモンの製造を中心に、今後は他の魚の代替肉の作製も視野に入れているようだ。End