ノイズキャンセリング技術で
発話をマスキングする「Voice Mask」

東京大学 i.schoolのディレクター陣が2011年に創業したイノベーション創出・実現のためのイノベーション・デザインファーム「イノベーション・ラボラトリ(i.lab)」は、社内R&Dプロジェクトとして、「Voice Mask(ボイスマスク)」の開発を進めている。

Voice Maskは、ノイズキャンセリング技術を応用した、発話をマスキングするコンセプトデバイス。内蔵マイクで拾った使用者の声と逆位相の音波を、口を囲むように並んだスピーカーから出すことで、音声を打ち消すことができるという。

これにより、装着者は口を密閉することなく、周囲へ発話内容を聞かれることが防止でき、カフェやオープンスペース、大部屋オフィスなどでも、周囲への迷惑を気にすることなく電話やweb会議をできるそうだ。

i.labでは、2015年に社内R&Dとして「10年後のワークスタイルを洞察する」リサーチを実施。しかし、新型コロナウイルスの流行を背景に、自宅でのオンライン会議・授業が当たり前となった。

また、それにともなって、家庭やオフィスでの周囲の声の入り込みなど、2015年に想像していた課題も現実のものとなり、これらを解決するため、プロダクト開発を社内R&Dとしてスタートさせた。

なお、同製品2022年5月、イタリアのA’ Design Award & COMPETITION ソーシャルデザイン部門にて、ブロンズアワードを受賞。まだコンセプト段階だが、実現の可能性を追求してプロジェクトを継続する予定だ。End