オラファー・エリアソンが米ワイナリーで手がけた
「Vertical Panorama Pavilion」

アーティストのオラファー・エリアソンがデザインした新しいパビリオン「Vertical Panorama Pavilion」が、米カリフォルニアのワイナリー Donum Estateにお目見えした。ワインのテイスティング専用のスペースだそうで、さまざまな感覚や周りの環境が楽しめるユニークな体験ができるそうだ。

エリアソンと建築家のセバスチャン・ベーマンが設立した、独ベルリンを拠点とするStudio Other Spacesによる設計で、キャノピーの下からは付近のサンパブロ湾や、ブドウ園「Carneros Estate」、さらにはDonum Estateが所有するサイトスペシフィックな彫刻作品およそ50点など、美しいパノラマビューを提供する。

歴史ある円形の暦にヒントを得た円錐形のキャノピーは、中心に北に向いて開いた天窓があり、その周りには832枚の合わせガラスを配置。これらは太陽の輝き、風の強さ、温度、湿度というワイナリーの4つの気象パラメーターの年間平均を表しているそうだ。

また、パネルのカラーは24色で、ソノマ・バレーの風景をイメージした半透明と透明の色調のバリエーションで構成。パビリオンは、Studio Other Spacesのビジョンであるアートと建築のシナジー効果を体現するものとなっている。

ワイナリーのオーナーである Mei WarburgとAllan Warburgは「このパビリオンでは、ワイン、自然と芸術、デザイン、建築に対する私たちの情熱を見事に融合させました。こうした私たちの努力の結晶ですので、ゲストには視覚や聴覚、嗅覚の体験を直感的に楽しんでほしいと思います」とコメント。

エリアソンとベーマンは、「パビリオンは、土壌や植生、風、太陽、空気、雨など、周辺のエフェメラ(ephemera)をマッピングしたもので、これらをカラフルなキャノピーに落とし込み、ワインのユニークな特徴を表現しています」と解説している。End

▲All images © Vertical Panorama Pavilion at the Donum Estate, 2022, Studio Other Spaces – Olafur Eliasson and Sebastian Behmann – Photo: Adam Potts.