デザイナー 本多沙映の個展「cryptid」
フェイクファーを題材にした新作を発表

Photos by Masayuki Hayashi

日本とオランダを拠点に活動するデザイナー兼ジュエリーアーティスト 本多沙映の個展「cryptid(クリプティド)」が、東京・西武池袋本店アート カプセル+にて、2023年1月31日(火)まで開催中。

自然と人工物の境界線が曖昧になりつつある世界を俯瞰し、新しい価値を探求してきた本多。同展で発表するのは、フェイクファーを題材にした最新作「cryptid」である。素材研究や製造の現場のフィールドリサーチなどを通して、フェイクファーという人工素材の価値についての考察を披露する。

一般的に本物よりも価値が下がる傾向にあるフェイクファーだが、動物愛護の観点から再注目されている。その一方で、フェイクファーのほとんどは石油由来の化学繊維でつくられるという課題もある。

そこで「cryptid」では、動物の毛皮の多種多様な色彩と模様、手触りにインスピレーションを受けながら、自然の産物の美しさを表現。メーカーや縫製工場で廃棄されるフェイクファーのはぎれを、フェルティング技術を応用し、毛を絡ませながら繋ぎ合わせた。

本多はこの作品を「人間のものづくりにおける純粋で尊い自然との関わりを、大量消費という文化の中でネガティブなものへと転化させてしまわないようにと想いを込めた。新しい毛皮のかたち」であるとする。

また、同展では「EVERYBODY NEEDS A ROCK」や「Tears of the Manmade」などのアーカイブコレクションも展示販売する。プラスチックゴミや自然物など身近な素材を使い、新たな価値を生み出し、提案し続ける本多の作品を楽しむことができるだろう。End

sae honda 個展「cryptid(クリプティド)」

会期
2023年1月11日(水)~1月31日(火)
※最終日は会場のみ18時に閉場
会場
西武池袋本店 2階(中央B7)=アート カプセル+
詳細
https://www.instagram.com/p/Cm_QsFVSCvT/?hl=ja