デザインで「心地よく備える」プロジェクト
「NEW NORMAL NEW STANDARD」が新作を発表

日本でコロナウイルスの感染が拡大した2020年は、感染症対策を急ぐあまりに、空間の質を下げて居⼼地が悪くなるような、かたちばかりの対策が数多くとられてきた。こうしたなか、感染症対策や防災をデザインで「心地よくすること」を目指して誕生したプロジェクトが「NEW NORMAL NEW STANDARD」である。

このプロジェクトには、同じ問題意識を持つデザイナーたちが集結。第1回となる2020年の展示会では、江⼝海⾥(プロダクトデザイナー)がデザインした、無駄を取り除いた消毒液スタンド「SUBMARINE」が登場。2021年の第2回展示会では、中込 明(プロダクトデザイナー)による、食事の楽しさを彩る⾶沫防⽌パーテーション「Object Ⅱ」が披露された。

江⼝海⾥「SUBMARINE」

中込 明「Object Ⅱ」

2022年に開催された第3回は「⼼地よい備えのデザイン」をテーマに、価格⾼騰や⾃然災害といった不安定な状況のなかで、⾝の回りのリスクに対して余計なストレスを感じずに⼼地よく備える⽅法を模索。

伊澤真紀(プロダクトデザイナー)は、足を保護し編んだ紐を解けば、ロープにもなるパラシュートコードで編んだ草鞋「paraWARAJI」を提案。耐久性にも優れており、緊急時には、けがをした箇所の固定や止血、着火剤やデンタルフロスにも使用可能だ。

伊澤真紀「paraWARAJI」

2023年4月18日(火)から4月23日(日)まで行われた「ミラノデザインウィーク2023」では、これまで発表した作品を出展したほか、秋⼭かおり(プロダクトデザイナー)と⽚岡屏⾵店による小型の屏⾵「360 BYOUBU」を新たに発表。これは⾵や煙を通さない和紙蝶番を使用しており、災害時には非常用ろうそくや懐中電灯を灯すことで、心地よく感じられるランプシェードにもなる。

秋⼭かおり・⽚岡屏⾵店「360 BYOUBU」

会場では、NBCメッシュテックのメッシュ素材と、これを運搬・保管する巻芯である紙管を利用して空間構成を行うなど、同プロジェクトが目指すデザインを広く発信した。End