東京・下北沢の商店街 BONUS TRACKに、ショートフィルムを身近に楽しむ喫茶店「TAN PEN TON（タンペントン）」が2023年10月12日（木）にオープンする。

エンターテインメント業界において、長編映画の製作は資金面などでハードルが高く、オリジナルの作品に挑戦する新たな才能が登場しづらい傾向にある。しかし、上映時間が10分程度のショートフィルムであれば、実験的なテーマやちょっとしたアイデアを表現できる可能性があるのではないだろうか。

こうした背景から生まれた同店は、オリジナルメニューのソーダフロートやポップコーンなどを味わいながら、世界中から厳選したショートフィルムをブラウン管テレビで観て楽しむ「VHS喫茶」である。データ化したデジタルの映像を見せるのではなく、作品を物質的なVHSカセットに戻して鑑賞するというユニークなスタイルが特徴だ。

提供ドリンクイメージ

そこには、いつでもオンラインで映画が楽しめる時代に、映像作品をVHSという形のあるものに転換することで、映画・映像作品への愛を育み、価値ある映像を世に残し、これからも産み続ける、というねらいがある。

また、「TAN PEN TON（短編屯）」というネーミングには、屯が「たむろ」とも読むことから、ショートフィルムやインディペンデント映画の魅力を発信する拠点として、未来の才能や観客が気軽にたむろできる場所にしたいという想いが込められている。

現在では生産を終了しているVHSに触れたことがない人も多いだろう。音楽においてレコードやカセットテープが復活の兆しを見せるなか、VHSで古くて新しい映像を体験してみてはどうだろうか。