佐々木類《Subtle Intimacy》（2022）

スイス発のラグジュアリーブランド「Akris（アクリス）」は、アートメディア「ARTnews JAPAN（アートニュースジャパン）」とのコラボレーションによる展覧会「Reimagining the Values」を、2024年1月31日（水）まで東京都千代田区にあるアクリスのポップアップスペース「Akris Salon」（帝国ホテルプラザ1階）で開催中。

1922年に創業し、現在もザンクト・ガレンに本拠地を構えるアクリスは、創業者の孫で現クリエイティブディレクターのアルベルト・クリームラーがアートや建築物からインスピレーションを得たコレクションを発表してきた。また、ファブリックの再利用やアニマルフレンドリーな素材の採用など、持続可能な取り組みも創業当時より受け継がれている。

今回の展覧会は3回シリーズの最終章となるもので「After us：受け継ぐということ」と題し、持続可能な世界をテーマにアート・プロデューサーの山下有佳子がキュレーションを担当。佐々木 類、シャイフル・アウリア・ガリバルディ、渡邊慎二郎、渡辺志桜里の4名の現代アーティストが受け継ぐを主題とした作品を展示している。

佐々木類《Subtle Intimacy》（2022）

シャイフル・アウリア・ガリバルディ《Irmo Ehoor#2》（2023）、《Sudor Klasira#1》（2020）

佐々木 類は、存在の記録や保存が可能なガラスを用いて植物を閉じ込めた作品を披露。インドネシアを拠点に活動するシャイフル・アウリア・ガリバルディは、菌類が形成する独特の構造を参照した風景ドローイングなどを通じて、ミクロな世界に存在する美的宇宙を表現している。

生物・無生物との共生の仕方を再考する渡邊慎二郎は、サウンドをとおして植物との対話の可能性を試みるインスタレーション作品と植物を持ったひとびとが乗り込む電車内を捉えた映像作品を展示。渡辺志桜里による鳥をモチーフにした彫刻「RED」は、絶滅危惧種の鳥の骨から復顔法で元の姿を再現した作品であり、当たり前のようなものごとに対する多様な角度からの解釈を試みている。

渡邊慎二郎《untitled》（2023）

渡邊慎二郎《グリーン車》（2020）

渡辺志桜里《RED》（2022）