指先で操るスマート天体望遠鏡
ユニステラの「ODYSSEY」

天体望遠鏡を開発する仏ユニステラ(UNISTELLAR SAS)は、スマート天体望遠鏡の新シリーズ「ODYSSEY(オデッセイ)」を開発し、ラスベガスで開催されたテクノロジーの見本市 CES 2024で発表した。

同社が有する2つの技術革新をベースとしたODYSSEYは、指先で操作しながら自宅や街角から宇宙の素晴らしさを発見し、広大な神秘の世界を探索できるスマート天体望遠鏡。ニコンと共同開発した「Nikon High Precision Optics」により、定期的にミラーを手動で注意深く調整する必要があったミラー天体望遠鏡で、はじめて手動調整を不要にした。

さらに、従来の天体望遠鏡では、観察中に手動でのピント合わせが求められた。これに対して同モデルは、スマートアルゴリズムと専用の電動センサーを組み合わせた完全自動のピントシステム「Stellar AutoFocus」を採用することで、観察中に必要に応じて自動で再フォーカスしてくれる。

また、ODYSSEYは、近隣の惑星だけでなく、はるか彼方にある天体のどちらも観察できる天体望遠鏡である。観測対象に合わせて機器の感度と解像度を調整するユニステラ独自の「Multi-Depth Technology」が、木星の大赤斑や大気の縞模様といったディテールの観察から数千万光年も離れた子持ち銀河の渦巻き腕の観察への切り替えを容易に実現する。

重さ4kgと軽量かつコンパクトであり、Unistellarアプリを使えばスマートフォンやタブレットからの操作が可能。天体に関する情報も簡単にチェックしながら、観察結果を家族や友人と共有することができる。

ODYSSEYシリーズは「ODYSSEY」と「ODYSSEY PRO」の2モデルを展開。さらなる機能を求めるユーザーには「ODYSSEY PRO Red Edition」も用意する。ユニステラの共同創設者兼CEOのLaurent Marfisiは「複雑な手順を省いたことで、これまでは専門家だけができていた数百万光年の旅を誰もが体験できるようになります。宇宙の世界にどっぷりと浸る感動が実現します」とコメントしている。End