京都・亀岡を拠点に活動している 明主航の個展「“廻（み）る/Around” 明主航/Wataru Myosyu」が、2024年3月15日（金）から3月31 日（日）まで東京・原宿のVacant/Centreで開催される。

明主は近年、型を使用した「型取り」と呼ばれる手法を用いて、箱型の作品や器シリーズ「白刻」の制作に取り組んでいる。素材の掛け合わせや型から外すための砂敷き、丹念な仕上げといった工程にさまざまな偶発性を取り込むことで、ひとつひとつまったく異なる作品を生み出してきた。

土や石、砂でできた自然物のような存在感を放つように、作品の表面には釉薬を使わず、無数の微細な孔も塞がずに、作品が呼吸をしているかのような状態をつくり出す。そこには、作品が置かれる空間を意識し、そこに漂う「流れ」の一部となるように、という作家自身の想いが込められている。

これらの作品は、「土をはじめとする素材や人、場所との廻（めぐ）りあわせ、大きな循環のなかにある存在に想いを馳せてつくられる」と明主は語る。来場者は作品を観ながら、さまざまな「見立て」をするように誘われるのだ。