ヨウジヤマモトが展開するブランド「Y’s（ワイズ）」は、山形県鶴岡市に拠点を置くバイオベンチャー企業「Spiber（スパイバー）」が開発した素材「Brewed Protein™（ブリュード・プロテイン™️）繊維」を用いたコレクションを発表。東京・日本橋三越本店のY’s Pop-up Storeや三越伊勢丹オンラインストアにて販売する。

従来のさまざまな素材はリサイクルにコストがかかり、その結果として多くの資源が焼却や埋め立てなどの廃棄を余儀なくされてきた。「Brewed Protein™ 繊維」は、主原料を石油資源や動物資源に依存せず、植物由来の原料をもとに「微生物発酵（ブリューイング）」というプロセスでつくられた、人工合成の構造タンパク質素材である。

分子レベルでの改良を緻密に繰り返すことで、用途に応じた多様な素材の特長をデザインすることが可能となった。アパレル業界における脱石油や脱アニマル、輸送分野における軽量化などの大きな役割を果たす、持続可能な素材として注目を集めている。

布を羽織ったようなデザインのユニークなシャツ。前を留めず開けたまま、あるいは紐を結び作務衣のように、またはボタンを留める着方が可能。襟のドレープをフラットにするとセーラーカラーのようになり表情が変化する。胸と背中に、サボテンの花のプリント。

パンツとスカートを組み合わせたようなユニークなかたちのパンツ。左足首が覗く肌の見え方がワイズらしい重いシルエットに軽さを生む。右側面にサボテンの花のプリント。

内側に丸いラインを描くパンツ。左側面にサボテンの花がプリントされている。

同プロジェクトは、2023年に創業350周年を迎えた三越が、「伝統」をテーマに実施した取り組みをさらに進め、「未来に繋がるコレクション」としてスタート。Y’sのクリエイションとBrewed Protein™繊維により、ユニークな造形が誕生した。今回は、この素材を用いて、Y’sを象徴するブロードコットンシャツやデニムパンツを展開。かすれたようなサボテンの花のプリントが、コレクション4種の全ピースにあしらわれている。