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2025.03.03 19:25
本連載では、課題解決に挑むアフリカの実践者たちの視点を伝えることによって、 多様かつグローバルな「アフリカデザイン」の理解を深める。 第3回では、アフリカの多様なオブジェクトに着想を得た、独特なシルエットの家具で知られる エチオピア系アメリカ人デザイナー、ジョモ・タリクのデザイン手法に迫る。
アフリカのコンテンポラリー家具デザインで成功
「私のデザイン言語(デザインの指針となる枠組みや様式)は、アフリカ大陸のあらゆるものが基本になっています」とジョモ・タリクは言う。全米の美術館から評価を得ている、椅子を中心とした彼の家具コレクションは、動物の角や水壺といったアフリカの動物や民芸品の視覚的要素を取り入れたフォルムを特徴とする。ケニア生まれ、エチオピア育ちの彼はアメリカのカンザス大学でインダストリアルデザインを専攻。「アフリカのコンテンポラリー家具デザインの可能性」をテーマに研究し、卒業後すぐにデザイン事務所を立ち上げた。在学中は図書館でデザイン関連の書籍を読み、学びに明け暮れる日々だったが、アフリカ系デザイナーの事例が少ない現実を痛感したという。