イタリアを代表する写真家の個展
「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」開催

ルイジ・ギッリ《ボローニャ、1989-90》〈ジョルジョ・モランディのアトリエ〉より 1989-90年 東京都写真美術館蔵 ©Heirs of Luigi Ghirri

東京都写真美術館は、総合開館30周年記念展として、イタリアを代表する写真家ルイジ・ギッリ(Luigi Ghirri、1943-1992)の個展「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」を、2025年7月3日(木)から9月28日(日)まで開催する。

測量技師としてキャリアをスタートさせたギッリは、コンセプチュアル・アーティストたちと出会ったのち、1970年代から写真家としての活動を本格的に開始。やがて、カメラによってフレーミングされた「見られた」視覚的断片から風景をつくり出すという、単なる現実世界の複製ではない独自の表現手法を確立した。

ルイジ・ギッリ《カプリ、1981》〈イタリアの風景〉より 1981年 ©Heirs of Luigi Ghirri

ルイジ・ギッリ《ザルツブルク、1977》 〈F11、1/125、自然光〉より 1977年 ©Heirs of Luigi Ghirri

今回の展覧会では、ギッリが1970年代から晩年にかけて撮影したイタリアや旅先の風景、アーティストのスタジオ、自宅の室内、美術品、看板やポスター、窓や鏡に映る風景など、多様な視覚的断片によって構成された風景表現を紹介する。

初期の代表作「コダクローム」や「静物」シリーズ、故郷のレッジョ・エミリアをはじめとするヨーロッパの風景、画家 ジョルジョ・モランディ(1890-1964)、建築家 アルド・ロッシ(1931-1997)のアトリエを撮影したシリーズなど、約130点が一堂に会する。

さらに、ギッリの活動を語るうえで欠かせない存在である、グラフィックデザイナーで妻のパオラ・ギッリ(1954-2011)の作品や資料もあわせて展示し、およそ20年にわたるギッリの写真家としての活動を振り返る。

また、会期中は、ギッリが撮影する様子や、遺族や生前のギッリと交流した関係者のインタビューをまとめたドキュメンタリー映画「Infinito」(2022)を日本語字幕付きで日本初公開。上映後には、ギッリの作品に造詣が深いゲストを招いたアフタートークも開催する。End

ルイジ・ギッリ《レッジョ・エミリア、1985》 〈F11、1/125、自然光〉より 1985年 ©Heirs of Luigi Ghirri

ルイジ・ギッリ《モデナ、1970》〈初期作品〉より 1970年 ©Heirs of Luigi Ghirri

ルイジ・ギッリ 終わらない風景

会期
2025年7月3日(木)~9月28日(日)
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
会場
東京都写真美術館 2F 展示室
(東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
詳細
https://www.topmuseum.jp/contents/exhibition/index-5073.html

トークイベント

日時
2025年7月5日(土) 14:00~17:00
登壇者
アデーレ・ギッリ(ルイジ・ギッリ財団代表)
イラリア・カンピオーリ(レッジョ・エミリア市立博物館キュレーター)
山田裕理(東京都写真美術館 学芸員)
定員
190名(整理番号順入場/自由席/伊日通訳付)
参加費
無料
※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布。
※やむを得ず開催が困難となった場合は、オンライン開催を予定。
会場
東京都写真美術館 1階ホール

ドキュメンタリー映画「Infinito」上映+アフタートーク

日時
① 2025年8月24日(日)14:00~16:30
ゲスト:岡田温司(京都大学名誉教授)
② 2025年9月12日(金)17:00~19:30
ゲスト:森岡督行(森岡書店代表)
※上映80分+アフタートーク約50分
定員
190名(整理番号順入場/自由席/日本語字幕付)
参加費
無料
※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布。
会場
東京都写真美術館 1階ホール