“循環”に新たな視座を提供するホスト国パビリオン「日本館」

地球規模のさまざまな課題に取り組むために、世界各地から英知が集まる大阪・関西万博。今回は約160カ国が参加し、パビリオンを出展予定だ。なかでも「日本館」はホスト国のパビリオンということもあり大きな注目が集まっている。展示、建築、グラフィックなど、各所でのコンセプトや魅力に迫った。

会場ゲートからほど近い場所に位置する日本館の外観。鉄骨造で延べ面積は約11,000㎡、建築面積は約8,200㎡。パビリオンとしてだけではなく、各国のVIPをもてなす迎賓館としての役割も担う。

いのちを取り巻く多様なサイクルに着目

日本館は日本政府直営のパビリオンで、大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を、ホスト国としてプレゼンテーションする拠点となる。日本館のテーマは「いのちと、いのちの、あいだに」。いのちを取り巻く多彩な「循環」を、展示のみならずパビリオンの建築そのものでも表現するという。ちょうどテーマを検討していた時期は、新型コロナウイルスが猛威を奮い、いのちとつながりの大切さを再認識していたタイミング。日本古来の自然観をふまえつつ、いのちそのものに向き合っていくことが必要ではないかと考えたという。日本館の総合プロデューサー/総合デザイナーであるnendoの佐藤オオキはこう語る。