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2025.06.16 15:35
この連載は、現在よりも時の流れがずっとゆっくりしていた遥かな昔、古代と呼ばれる時代を振り返る時間旅行の試み。なるべくゆったりとした気持ちで、モノの形やその背後にある感覚・思考に想像を巡らせてみたい。
スウェーデンのメーラレン湖周辺で見られるペトログリフ。
地球規模の気候変動が、理論や思想ではなく目に見えるかたちで生活環境に影響を与えるようになり、自然を長い目で見るような視点が必要になってきた。「長い」というのは10年や100年ではなく、1000年あるいは地質学的な時間の単位という意味だ。例えばスイスのアルプスで氷河の後退が問題になってくると、今までは日常の外にあった「氷河期」がいつだったのか気になってくる。日本では縄文土偶がブームだが、そのユニークなデザインの秘密は、最終氷期の終わり頃に誕生し1万年以上続いた縄文文化の長期的安定性にあるという。