銀座メゾンエルメス ル・フォーラム
「体を成す からだをなす展」開催中

Nefeli Papadimouli | Être forêts (We Are Forests) | 2021 | ©Nefeli Papadimouli- Collection FRAC Grand Large — Hauts-de-France

エルメス財団は、フランス・ダンケルクを拠点とする現代美術地域コレクション「FRAC Grand Large(フラック・グラン・ラルジュ)」の所蔵作品を紹介するグループ展「体を成す からだをなす」を、2025年10月12日(日)まで東京の銀座メゾンエルメス ル・フォーラムにて開催中である。

FRAC Grand Large は、1982年に前身となる組織がリールに設立され、現在までに750人のアーティストやデザイナーによる2000点を超える作品を収集。コレクションは、1960年代以降のフランス国内外の現代美術(絵画、彫刻、映像、インスタレーション、パフォーマンス)やデザインで構成され、美術館やアートセンターとの連携を行うほか、地域内の共有資産を活かして、学校や病院とともに展覧会を実施している。

今回の展覧会のタイトルは、フランス語の「Faire Corps(一体となる、調和する)」に基づき、「社会的身体」をテーマにしている。FRAC Grand Largeのディレクター ケレン・デトンのもと、ヨーロッパ各国、アメリカ、日本出身の13人のアーティストが手がけた1973年から2025年までの作品を幅広く展示されている。

ÅBÄKE | The Handshake | 2014 | Collaboration with Kazutaka Furukomi and Rakkan Ohata | ©ÅBÄKE-Collection Frac Grand Large ― Hauts-de-France

André Cadere | Exhibition with Galerie des Locataires, Avenue des Gobelins, Paris, April 3-8, 1973 | Photo : Emmanuel WATTE ©Courtesy Succession André Cadere et Galerie Hervé Bize – Collection FRAC Grand Large ―Hauts-de-France

Helen Chadwick | In the Kitchen | 1977 | ©Helen Chadwick – Collection FRAC Grand Large ―Hauts-de-France

展示作品には、ヘレン・チャドウィックのパフォーマンス「In the kitchen」、アンドレ・カデレの「丸い木の棒」、アナ・トーフのヴィデオ「サイドショー」、ネフェリ・パパディムーリのコスチュームとヴィデオ作品「森になる」などが含まれる。どの作品も、生活とアートの両義的な関係を示すものであり、アートによってもたらされる日常や秩序の可変性、個人的・集団的に機能する社会的な身体を浮き彫りにする。

さらに、脆弱な身体を象徴的に扱うジェシー・ダーリングやポール・マヘケ、外国語と母国語の狭間を問うタレク・ラクリッシ、技術と知の共有を媒介にした創作実践を行うアーティスト集団「アバケ/オバケ」、そして大阪在住の笹原晃平の作品も出展され、多様な視点や行為が交差する場を形成する。

Jessica Diamond | Me consteallation | from the series Tributes to Kusama | 1992-1993 | © Jessica Diamond – Collection FRAC Grand Large – Hauts-de-France

Pauline Esparon|L’écoucheur ottoman|2020|©Pauline Esparon – Collection FRAC Grand Large Large ―Hauts-de-France

Kohei Sasahara | Sunny | 2016 | Photo: Aurélien Mole© Kohei Sasahara – Collection Frac Grand Large ー Hauts-de-France

Christine Deknuydt | L‘effet miroir | 制作年不明 | Photo: Ludovic Linard | ©Arlette Deknuydt- Collection Frac Grand Large ― Hauts-de-France

また、ダンケルクで短い生涯を終えたアーティスト、クリスティーヌ・デュクニットのドローイングも展示。「描くことで痕跡が消滅する」ような実験的な態度で、存在の境界を問いかける作品となっている。End

体を成す からだをなす
FRAC Grand Large 収蔵作品セレクション展

会期
2025年7月19日(土)~10月12日(日)
アーティスト
アバケ/オバケ、アンドレ・カデレ、ヘレン・チャドウィック、ジェシー・ダーリング、クリスティーヌ・デュクニット、ジェシカ・ダイアモンド、ポーリーヌ・エスパロン、タレク・ラクリッシ、ポール・マへケ、ブルーノ・ムナーリ、ネフェリ・パパディムーリ、笹原晃平、アナ・トーフ
コ・キュレーター
ケレン・デトン(FRAC Grand Large ディレクター)、説田礼子(ル・フォーラム キュレーター)
開館時間
11:00~19:00(入場は18:30まで)
入場料
無料
休館日
水曜日 ※ただし7月30日(水)は開館。
会場
銀座メゾンエルメス ル・フォーラム 8・9階
(東京都中央区銀座5-4-1)
詳細
https://www.hermes.com/jp/ja/content/maison-ginza/forum/250719/