ジャスパー・モリソンのデザイン哲学をひもとく
書籍「A Book of Things」発売

イギリスのデザイナー ジャスパー・モリソンが自身のデザインを紹介する書籍「A Book of Things」が、スイスの出版社 Lars Müller Publishersから発売された。2015年の初版を増補改訂したもので、価格は35スイスフラン(約6500円)。

「スーパーノーマル(Super Normal)」というデザイン哲学を掲げ、家具から家電製品、照明、キッチン用品、さらにはドアノブにいたるまで、幅広いプロダクトを手がけてきたジャスパー・モリソン。「オブジェクトはけっして叫んではならない(objects should not shout)」という理念のもと、実用的なシンプルさ、気軽な親しみやすさ、独特の遊び心によって人々を魅了してきた。

同書は、私たちの生活に寄り添い、環境を形作る「モノの世界」に対するモリソンの思考をたどるガイドブックである。長きにわたるキャリアのなかで取り組んだ数々のプロジェクトを、スケッチや完成品、デザインの誕生にまつわるエピソードとともにひもといていく。

さらに改訂増補版として、スペイン・マヨルカ島のベーカリー自転車、ブックデザインなどの最新作も追加された。作品の多様性だけでなく、同氏のインテリアに対する感覚も知ることができる。

モリソンにとって、オブジェクトが成功したかどうかはそれ自体で決まるのではなく、置かれた環境のなかでいかに雰囲気を演出できるかにかかっている。同書は、空間に対する感性、モノへのアプローチ、デザインプロセス、そして審美眼など、モリソンの思想を余すところなく伝えている。End

書籍「Jasper Morrison:A Book of Things」

著者
ジャスパー・モリソン
デザイン
ジャスパー・モリソン、Lars Müller Publishers
出版社
Lars Müller Publishers
仕様
17×23cm、312ページ、図版397枚
価格
35スイスフラン(約6500円)
詳細
https://www.lars-mueller-publishers.com/book-things-0