ブルガリの色彩の革命をたどる展覧会
「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」

国立新美術館にて、イタリアのハイジュエラー ブルガリの色彩の表現に焦点を当てた展覧会「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」が開催中。会期は2025年12月15日(月)まで。

「美しい(カロス)」と「形態 (エイドス)」を意味するギリシャ語にちなんで「カレイドス」と名付けられた本展は、メゾンの歩みを振り返りつつ、イタリアと日本の深いつながりを浮き彫りにし、両国に共通するアートやデザインへの情熱と豊かな文化遺産を称える場として開かれた。

「色石(カラージェムストーン)の魔術師」と呼ばれたブルガリは、色味を限定していたハイジュエリーの常識を覆し、イエローゴールドにサファイア、ルビー、エメラルド、そしてダイヤモンドを組み合わせる大胆なスタイルを開拓。さらに、当時は半貴石とされていた石にカボションカットを施すことで、新たな美の可能性を提示した。

「ネックレス」プラチナ、エメラルド、ダイヤモンド、1961年、ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

「ペンダントイヤリング」 ゴールド、プラチナ、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンド、1968年、リン・レブソン旧蔵、ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

本展では約350点のマスターピースを通じて、ブルガリの色彩の革命を3章構成でたどる。第1章では科学的なアプローチから色彩の効果を探り、第2章では色彩がもつ文化的・象徴的な側面を掘り下げ、色の選択によって生まれる意味や感情の伝達を考察。そして第3章では、色を感知する際に不可欠な光の役割に焦点を当てている。

展示空間写真

また、ハイジュエリーとアートに共有される色彩への情熱にも着目。ララ・ファヴァレット、森万里子、中山晃子の3名の女性アーティストが、それぞれ独自の視点で色彩について考察した作品が展示されている。

展示空間写真

カラカラ浴場のモザイクに着想を得た会場デザインは、ブルガリとSANAAフォルマファンタズマが協働。ローマをルーツとするメゾンのアイデンティティと日本の美意識が溶け合うことで、ブルガリのクリエイティビティの真髄に迫る。

展示空間写真

ハイジュエリーだけでなく、現代アートやブルガリの保持している資料の展示、没入型インスタレーションなどを組み合わせた本展は、さまざまな創造性に触れる機会を提供している。ブルガリの色彩の世界に命を吹き込む多面的な旅を通して、宝石と貴金属を自在に操るメゾンの卓越した技を体感してみてはいかがだろう。End

ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧

会期
2025年9月17日(水) ~ 12月15日(月)
休館日:毎週火曜日
会場
国立新美術館 企画展示室 2E(東京都港区六本木7-22-2)
詳細
https://www.nact.jp/exhibition_special/2025/bvlgari_kaleidos/