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2025.10.02 10:29
経年染めを施した「ISHINOMAKI STOOL」。
「技を紡ぎ、世界とつなぐ。」をコンセプトに、日本の職人技術を現代の暮らしに生かすものづくりを展開するクラフトシップスは、インテリアブランド・石巻工房の代表作「ISHINOMAKI STOOL」に日本の伝統染色技法を応用した特別仕様の限定モデルを発表した。木製無垢材のスツールに“経年染め”を施すことで、時間の流れを映したような深みと表情を与えている。
松煙染めを応用し、時間を重ねたような落ち着きあるグレーを実現。1点ごとに表情が異なり、長く使うほど味わいが深まる。
スツールのベースとなるのは、東日本大震災後の復興期に生まれた「ISHINOMAKI STOOL」。仮設住宅での暮らしを念頭に、実用性と洗練されたデザイン性を兼ね備えた作品だ。今回発表された限定モデルでは、もともと布や糸など繊維に使われる松煙染めの技法を木材に応用し、落ち着きあるグレーの色合いを加えた。手作業による染料の揺らぎが1点ごとに異なる表情を生み出し、同じものがふたつとないスツールとなった。
ベースモデルの「ISHINOMAKI STOOL」。
石巻工房は、東日本大震災を契機として「誰でもDIYできる工房」としての活動を始め、木の魅力を引き出すシンプルな家具を数多く発表してきた。本限定モデルには、年月を重ねて育まれる“味わい”を意匠として取り込むことで、日常の道具を「消費」するものから「継承」するものへと昇華させる意図が込められている。
職人による手拭き染色の工程:布で染料を浸透させ、木目の表情を生かしながら風合いを引き出す。