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23時間前

蘇州現代美術館(Suzhou Museum of Contemporary Art)© Ye Jianyuan
ビャルケ・インゲルス率いる建築事務所BIGが設計を手がける「蘇州現代美術館(Suzhou Museum of Contemporary Art)」が、2026年の正式開館を前にまもなく一般公開される。中国・江蘇省蘇州の金鶏湖に面した約6万㎡の敷地に建つこの美術館は、蘇州の伝統的な庭園建築を現代の建築言語で再解釈したものだ。

© Ye Jianyuan
建物は、12棟のパビリオンがリボン状の屋根の下に配置される構成。それぞれが回廊や中庭でつながり、庭を縫うように配置されている。ステンレスと波状ガラスによるファサードは湖や空の光を映し込み、建築と風景の境界を曖昧にする。

© Ye Jianyuan
BIG創設者のビャルケ・インゲルスは「蘇州は中国庭園の発祥の地。私たちの設計は庭園のようなパビリオンと中庭の集合として構想しました。個々のパビリオンはガラスのギャラリーと柱廊で織り合わされ、彫刻的な中庭と展示空間が絡み合う中国結びを形成しています」と語る。

© Ye Jianyuan
建物は蘇州の伝統的な「廊」(長い屋根付き回廊)を再解釈し、瓦屋根の軒を想起させる屋根の曲線が連なる。内部には自然光が注ぐ展示空間が展開する。10棟のパビリオンが完成しており、残り2棟は来年、湖上に延びる形で建設される予定だ。

© StudioSZ Photo / Justin Szeremeta
4つのパビリオンが主要な展示空間を構成し、その他にエントランスホール、多目的ホール、劇場、レストランが配置される。パビリオンは地上と地下で橋やトンネルによって接続され、季節や展示に応じた柔軟な動線管理を可能にする。

© Ye Jianyuan
建物は自然換気や地域資材の活用を取り入れ、中国の「GBEL 2つ星」グリーン建築認証を目指す。ランドスケープデザインは、硬質な舗装から緑地、水辺の植栽へと段階的に移行するようデザインされ、美術館、都市、湖が連続する空間を生み出している。

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開館を記念する展覧会は、BIGが自らキュレーションを手がける「Materialism(マテリアリズム)」。イタリアのデザイン誌『Domus』でのビャルケ・インゲルスの1年間のゲスト編集を発展させたもので、石、土、コンクリート、金属、ガラス、木、布、プラスチック、植物、再生素材など、各素材がBIGの建築をどう形づくるかを探る。コペンハーゲンの自社オフィス、デンマーク海事博物館、Google Bay View、The Plusなど、BIGの20プロジェクトの大型モックアップや模型を通じて、素材の触覚的・空間的特質を体験できる構成となっている。![]()

© StudioSZ Photo / Justin Szeremeta












