構造そのものを改革する
複雑な課題に挑む「システムのデザイン」発刊

AI技術の進展、気候変動、人口減少、価値観の多様化など、複雑さを増す現代社会において、従来の分野別・対症療法的なアプローチでは解決が難しい課題が顕在化している。そうした状況に対し、「システムのデザイン」という新たな思考法を提示する書籍「戦略デザイナーが伝えたい、システムのデザイン」が、2025年12月12日(金)にクロスメディア・パブリッシングより刊行された。

「戦略デザイナーが伝えたい、システムのデザイン」山田和雅著、本体2,500円+税

本書が提示する「システムのデザイン」とは、個別最適ではなく全体最適を目指し、課題を生み出す構造そのものにアプローチする方法論である。複雑に絡み合った社会課題を、関係性や因果構造として捉え直し、持続的な解決へと導くための設計思考が理論と実践の両面から解説されている。

特徴的なのは、開発プロセスを「課題分析フェーズ」と「未来創造フェーズ」に分け、それぞれに複数のステップを設定している点だ。現状把握から理想像の設計、戦略への落とし込みまでを段階的に整理することで抽象論にとどまらず、実務に即したかたちでシステム思考を習得できる構成となっている。加えて、実例集も掲載され、実装プロセスが具体的に示されている。

著者近影

著者の山田和雅は、戦略デザイナー/システミックデザイナーとして、企業・自治体・教育機関など多様な領域でプロジェクトを手掛けてきた。組織の長期ビジョン策定や経営戦略、サービスデザインまでを横断的に扱ってきた実務経験が、本書の随所に反映されている。本書は、ビジネスや公共領域、クリエイティブの現場で複雑な課題に向き合う実践者にとって、新たな指針となる一冊となるだろう。End