「見せる」「味わう」「植物性」
神戸発のオフィス向け防災食「NINZIA BOSAI」

大阪・関西万博で公開したプロトタイプ「グルテンフリー×完全植物性うどん」

兵庫県神戸市の素材フードテック「NINZIA(ニンジャ)」は、2025年9月1日の「防災の日」に合わせて、未来の防災食ブランド「NINZIA BOSAI」を設立した。同社が有する食感を人工的につくりだすことが可能な食感創成技術(テクスチャ・エンジニアリング技術)とこんにゃく食物繊維の耐熱耐圧機能を組み合わせた多様な製品を展開する。

近年、企業においてはSDGsやESGの取り組みが活発に推進されている。ただ、防災食については、自治体が備蓄する量の約4分の1が消費期限切れで廃棄されているなど、「隠れ食品ロス」が社会課題となっている。企業や自治体は在庫を定期的に入れ替える「ローリングストック」を導入しているものの、期限が近い食品をフードバンクに寄付するといった受動的な対応策にとどまることも多い。

こうした状況を踏まえて登場したのが、オフィスや商業施設向けの新しい防災食システム「NINZIA BOSAI」だ。「見せる」「味わう」「植物性」を特徴としており、常温でも油脂が固まらず、防災食に求められる機能性と、普段から食べたくなる風味を両立。従来の植物性レトルト製品では難しかった肉や麺の食感を再現している。

同社はこれまでに、防災食として水や湯が不要で、「完全植物性」「のびない麺」「グルテンフリー」の缶詰うどんを開発。白滝とは異なる米粉の風味を残しながら、うどんらしい歯ごたえがある。不二製油の植物性ダシ「MIRA-Dashi®」のカツオタイプなどをベースとした、関西風のうどん出汁も味わえる。

「見せる」「味わう」「植物性」がテーマの「NINZIAカレー」

これに続き、「NINZIAカレー」も開発。災害時だけでなく日常食としても活用できる「フェーズフリー食品」であり、「見せる防災食」としてオフィスに設置することで、自発的にローリングストックを促しつつ、誰もが防災食保管場所を知っている状態の実現を目指している。End